じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山から妻の実家のある北九州に帰省する途中、いったん高速道から出て、久井・岩海(くい・がんかい)に行ってみた。説明看板によれば、標高699mの山麓、標高480m〜590mの所にあり、傾斜の緩い谷間に沿って、直径1m〜7mの花崗岩が重なり合って長く帯状に続いた珍しい地形。
 Googleマップの案内径路では尾道北ICから車で20分となっていたので気軽に立ち寄るつもりだったが、道幅よりも最短距離を優先したと思われるスマホのナビアプリが「ポツンと一軒家」に出てきそうな狭い山道を案内したため、対向車が来たらどうしようとか、落ち葉に隠れた側溝に落ちたらどうしようとか、神経をすり減らしくたびれてしまった。
 この久井岩海に似た地形としては、2004年3月に訪れた万倉の大岩郷(山口県美祢市伊佐町奥万倉)があり、岩海の規模や岩の大きさがという点では万倉のほうが迫力があるように思えた。もっとも久井岩海のほうが木々に覆われていてこの時期は紅葉に包まれており、また岩の底を流れる水の音が聞こえたりするといった、万倉にはない魅力を備えていた。

※久井岩海のアルバムは、帰省から戻った後で、楽天版もしくは4トラベルに掲載する予定。

2022年11月20日(日)



【連載】太陽系の基本知識を更新する(25)冥王星ほか(2)

 昨日に続いて、NHK「コズミックフロント」:

●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」

についての備忘録と感想。

 この回はまず、冥王星探査のトピックスについて概観されたあと、いったんそれより内側の軌道に戻って、天王星、海王星についての解説された。

 11月16日の日記で述べたように、1970年代〜1980年代には、木星より外側の惑星がほぼ一列に並ぶため、1つの探査機で木星、土星、天王星、海王星を探査できる「グランドツアー」が可能になった。この好機を活かして1997年8月にはボイジャー2号が打ち上げられた。打ち上げから9年後、ボイジャー2号は天王星に接近・通過した。僅かな時間ではあったが天王星の写真の撮影に成功した。さらに天王星本体を取り囲む10本以上のリングや10個の衛星を新たに発見した。ボイジャー2号はさらにその3年半後、海王星の鮮明な姿を捉えた。海王星は天王星と同様に冷たく薄暗い惑星であったが、青い大気や厚い雲、その上には白い雲があるなど複雑な様相であることが分かったが、最も興味深い発見は衛星トリトン表面の見たこともない光景であった。表面はまるで溶けた蝋のように活動的であり、穴から黒い煙が立ち上っていて明らかに何らかの火山活動のあることが分かった。ボイジャーはその後、星間空間に飛び出し今も旅を続けている。

 ここでいったん放送内容から外れるが、まずボイジャー計画については他の惑星のところでも触れたことがあった。ウィキペディアを参考にして要点をまとめておくと、
  • ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、木星と土星とその衛星を観測した。ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、1号が訪れた惑星に加えて天王星と海王星とその衛星を観測した。結果、各惑星で新しい衛星を発見したり、木星、天王星及び海王星に環があることが明らかとなった。また、トリトンにおける大気の発見のほか、イオの火山についても明らかとなった。
  • 1号の方が2号よりも後に打ち上げられているが、これは本来同日に打ち上げる予定であった1号がシステム不良のため16日間延期されたためである。また、当初のグランドツアー計画ではボイジャー1号を2号より数年早い時期に打ち上げる構想が存在したという経緯もある。当時は冥王星の公転角が天王星や海王星よりも遅れた後方に位置していたため、木星や土星の公転が天王星や海王星に追い付く前の早い時期に1号を打ち上げることで天王星や海王星を通らずに冥王星へ向かう軌道が構想されていた。しかし最終的に軌道計画が見直されて1号も2号も同時期に打ち上げられることになった。1号は土星接近時に2号よりも減速方向へスイングバイする形になり、そのぶん速い初速度で打ち上げられた。
  • 天王星・海王星へ向かう予定が無かった1号についても2号とは異なる軌道に投入されたことで土星接近後に冥王星に向かう可能性が残された。ただし最終的に冥王星探査はキャンセルされており、代わりにタイタンへの接近探査が行われた。しかしタイタンの大気は予想外に厚く、結果的にボイジャー1号では雲の下までは観測できなかった。タイタンの地表面の本格的な探査は後年のカッシーニ・ホイヘンスまで、冥王星の探査はニュー・ホライズンズまで、どちらもお預けとなった。
となる。ということで、天王星と海王星を探査したのはボイジャー2号のみとなった。また、現在の状態については、
  • 現在も1号・2号ともに稼働しており、ボイジャー1号は2020年6月現在で太陽から約224億km(約150 天文単位 (au))離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.027kmで飛行中であり、地球から最も遠くにある人工物体となっている。...2010年12月、太陽風の速度がゼロになる領域に到達。2012年8月25日に太陽系(太陽圏)を出ていたことが1年後に発表された。
  • ボイジャー2号は2020年6月現在で太陽から約186億km(約124 au)離れたところを太陽との相対速度・秒速約15.497kmで飛行中であり、ボイジャー1号とパイオニア10号に次いで地球から遠いところを飛行している。こちらも2018年11月5日に太陽系(太陽圏)を出ていたことが1か月後に発表された。
  • 2004年12月16日、ボイジャー1号は末端衝撃波面に到達した最初の惑星探査機となった。その後のボイジャー2号の観測によって末端衝撃波面が、南北対称ではなく歪んでいることがわかった。
  • 原子力電池の出力低下にともない、少しずつ観測装置の電源を切っており、稼動を完全に停止するのは2025年頃の予定である。
と記されている。

 次に天王星について、1960年代の知識がどのように更新されたのかをチェックしてみると【要約引用、一部改変あり】、
  • 天王星に接近した宇宙探査機は、ボイジャー2号ただ一機である。
  • 天王星の自転軸がなぜこれほど傾いているのかは依然として判明していない。古典的な推察として、星がまだ完成されていない時期に、大きな原始天体が衝突したという説(ジャイアント・インパクト説)や、かつて巨大衛星が存在しており、その引力の影響で徐々に傾斜していったという説も唱えられている。また、天王星が現在のように自転軸が公転面に対して横倒しになるには、地球サイズの天体が1回ではなく、2回衝突する必要があることがシミュレーション研究により判明したとの報告もある。
  • 天王星の大気は、他のガス惑星と比べると雲がほとんど見られない、特徴の少ないのっぺりとした外観を持つ。これは、横倒しになった自転軸の影響で、昼夜での気温変化がほとんどないためである。しかし、2007年に天王星は春分を迎え、赤道方向に太陽光が当たるようになると、通常の惑星と同じような昼夜の繰り返しが起こるようになったため、気温変化が起こるようになった。これにより、2011年に北半球でかなとこ雲に相当する白い雲が観測された。
  • ボイジャー2号によって、天王星に磁場の存在が確認された。その強さは地球とほぼ同じである。しかし地球や木星とは大きく異なる特徴として、磁場の中心は惑星の中心から大幅にずれており、また磁場の軸が自転軸から60°も傾いている。
  • 天王星には2013年の時点で27個の衛星が発見されている。ボイジャー2号が接近するより前に発見されたアリエル・ウンブリエル・チタニア・オベロン・ミランダを天王星の5大衛星と呼ぶことがある。

 最後に海王星についての、1960年代の知識の更新のあらましは以下の通り。
  • ボイジャー2号は海王星を訪れた唯一の宇宙探査機で、海王星に最も接近したのは1989年8月25日だった。
  • まずは放送でも紹介されたような、青い大気や白い雲。そしてトリトンの奇妙な光景。
  • 海王星の衛星は、現在ではトリトンを初め14個が発見されている。
  • 海王星の気候の大きな特徴は非常にダイナミックな暴風構造である。海王星の大気中の風速は600 m/s(2,200 km/h)に達し、超音速流に近い
  • 1989年に縦6,600 km、横幅13,000 kmに渡る高気圧性の嵐構造である大暗斑(英語: Great Dark Spot)がNASAのボイジャー2号による観測で発見された。この大暗斑は木星の大赤斑に似ている。しかし、約5年後の1994年11月2日に行われたハッブル宇宙望遠鏡による観測では、大暗斑は消失していたが、その理由は分かっていない。その代わりに、海王星の北半球では大暗斑に似た新しい嵐が発見された。
  • 海王星の磁気圏は天王星に似ている。その磁場は海王星の自転軸に対して47°も傾いており、磁気軸が海王星の物理的中心から少なくとも海王星の半径の0.55倍(約13,500 km)もずれている。ボイジャー2号が海王星に到着するまでは、先に海王星と同じように傾斜している天王星の磁場は天王星の横向きの自転によるものと仮定されていた。2つの惑星(氷惑星)の磁場の比較において、科学者たちはこの磁場の極端な傾きは惑星内部の流動によるものかもしれないと考えている。
  • 海王星の軌道は、エッジワース・カイパーベルト(カイパーベルト)と呼ばれる、そのすぐ外側の領域に大きな影響を与えている。カイパーベルトは小惑星帯に似ているが存在範囲は大きく、氷から成る小天体がリング状に分布しており、太陽からは約30 auから約55 auの領域に存在している。木星の重力が小惑星帯で支配的であり小惑星帯を形作っているのと同じように、カイパーベルトは海王星の重力によって影響を受けている。
  • 太陽系が形成されて以来、天体が安定して存在し続けることができる軌道がこの領域内にも存在している。海王星と軌道共鳴を起こしているカイパーベルトの中で最も多いのは2:3の軌道共鳴を起こしているもので、知られているだけでも200個以上存在している。これらの天体は海王星が3回公転する間に軌道を2回公転しており、それに属する最大の天体が冥王星なので冥王星族と呼ばれる。冥王星は定期的に海王星の軌道を横断するが、2:3の軌道共鳴によって互いが衝突したり接近したりすることはない。
  • トリトンは海王星の発見から17日後にウィリアム・ラッセルによって発見された。太陽系内の他の大型衛星とは異なって逆行軌道を描いており、このことはトリトンが海王星と共に形成されたのではなく、外部から捕獲された天体であることを示している。捕獲されるまでは、カイパーベルト内に位置する準惑星規模の天体であったとされている。自転と公転の同期(潮汐固定)を受けるのには充分に海王星に近く、さらに海王星の自転に対して逆行しているため潮汐減速によって海王星に向かってゆっくりと螺旋軌道を描き、徐々に海王星へと接近している。このため、今後約36億年以内に、トリトンは海王星のロッシュ限界に達して崩壊してしまうと考えられている。

 次回に続く。