じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 最近、健康管理が順調で、体重計(体組成計、体脂肪計つき)で測定される数値に改善が見られている。
 BMIは25.1でやや高めとなっているが、ヒューマニエンスによれば、肥満は健康の敵ではあるものの、ちょっとポッチャリ型のBMI24〜27あたりが良いという見解もあり、このレベルでまずまずであるようだ。
 このほか、「バランス体内年齢」は55歳、「体幹バランス年齢」は47歳と、かなり若く判定されていた。
 毎日、朝食後と昼食後にがぶ飲みしている自家製ヨーグルト(おおむねヨーグルト60%、無調整豆乳40%)で、ヨーグルトを作る時の牛乳を低脂肪牛乳に切り替えたことが大きく影響しているのではないかと思われる。また隠居人生活のメリットとして、ウォーキングの時間をきっちり確保できることもありがたい。

2022年6月6日(月)



【連載】チコちゃんに叱られる!「子どもが走り回る理由」「おかきとせんべい」「金魚と仲良くなる方法」

 6月3日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、
  1. 五円玉が金色なのはなぜ?
  2. なぜ子どもは走り回る?
  3. おかきとせんべいの違いってなに?
  4. 【ひだまりの縁側で…】金魚と仲良くなるには?
という4つの話題が取り上げられた。本日は残りの2.〜4.について考察する。

 まず、子どもが走り回る理由であるが、放送では「早く育ちたいから」と説明された。子どもの発達と心理について詳しい山下直樹さん(名古屋短期大学)によれば、「子どもは早く育ちたいという欲求からとにかく走り回ってしまう。なぜこのような欲求が生まれるかというと、子どもは感覚が未成熟だから」であるという。
  1. 子どもは大人よりも感覚が発達していない状態で生まれてくる。
  2. 生後すぐの視力は0.02ほどで、色の見分けがほぼつかない。
  3. 味覚は、甘味・うま味・塩味を好むいっぽう、酸味・苦味を美味しいと感じるには食経験が必要。
  4. こうした未成熟な感覚は、適切な刺激を与えてその部位を働かせると成長する。ミルクから離乳食・普通食に変わることでいろいろな味を覚えたり、抱っこや話しかけなどで触覚・聴覚を刺激するといったように、体の機能や部位を使うことで感覚が育っていく。
  5. しかし子どもは、与えられるだけでは物足りず、自分から刺激を求めるようになっていく。それにより自分からいろいろな動きをするようになっていく。その1つが「走る」。
  6. 子どもは8ヶ月頃からハイハイ、つかまり立ち、1歳頃からひとり歩き、方向転換、1歳半頃から走るようになる。こうした動きは、運動感覚や平衡感覚を育てる。運動感覚は、筋肉や関節のコントロールをしたり、自分の体の大きさや手足の位置を教えてくれたりするもの。平衡感覚は、体の傾き・前後左右上下回転などの動きを感じる働きがある。さまざまな動きをしてこの2つの感覚が育っていくと、子どもはより複雑な動きができるようになる。
  7. しかし感覚が未成熟なうちは体をうまくコントロールできない。なので早くコントロールできるようになるため、より強い刺激を求めて走りまわるようになる。
  8. 「早く育ちたい」という欲求は、運動感覚や平衡感覚を身につけようとする本能、それが子どもたちを走り回らせている。
  9. 走る時は地面を蹴るので、歩く時よりも筋肉や骨への刺激が強い。また、蹴った後は前に進まなければならないのでバランス力も必要となる。
  10. 他にも、足の裏から伝わる地面の感覚や、スピードと距離の感覚などの細かい感覚が走ることで育っていく。
 放送ではこのあと、幼少時に走りまわったことのある人とそうでない人の違いに言及された。山下さんによれば、個体差があるので必ずしも一概には言えないが、平衡感覚が未成熟なまま育った人では、大人になっても車酔いしやすいとかジェットコースターが苦手といった傾向がでるという。

 ここからは私の感想・考察になるが、私はまず、番組表でこの話題が取り上げられることを知った時には、またまた「トンデモ進化心理学」のコジツケ話か?と身構えしたが、実際は、別の分野の先生が出演しておられた。
 ちなみに、「トンデモ進化心理学」なら「説明」は超簡単。要するに、
人間にとって走ることは命を守る上で必須な行動であり、本能的に命を守る予行演習として走り回る。走り回る遺伝子を持った人のほうが生き残る確率が高いため、その遺伝情報が伝わった。
というように解釈することができるだろう。

 しかし、今回の放送では、そのようなコジツケではなく、走り回ることが結果として種々の感覚の発達をもたらすという形で説明された。この点では評価できるのだが、「早く育ちたいという欲求からとにかく走り回ってしまう」というように、「早く育ちたい」が欲求であり、それが原因となって走り回るのかどうかについては納得できないところがある。要するに、子どもたちは、走り回ることで強い刺激が得られる。すなわち、それらの刺激は生得的な強化刺激になっているからこそ走り回るのであって、「刺激を求めて走りまわっている」と言えば済むこと。その子どもに「早く育ちたい」という「欲求」があるかどうかは分からないし、説明概念としてそのような「欲求」を持ち込むことは冗長と言わざるを得ない。繰り返しになるが、走り回ったり、ブランコや滑り台で得られるような感覚刺激自体が、そのような行動の生得的強化刺激になっていると考えればそれでよい。




 次の3.の「おかきとせんべいの違い」は「おかきはもち米、せんべいは普通のお米と」と説明されたが、私はどちらも食べないので、あまり関心を持てなかった。個人的には、円盤状の形をしているのがせんべい、一口で食べられるようなさまざまな形をしているのがおかきでよいのではないかと思う。

 最後の「金魚と仲良くなる」方法だが、金魚の立場から見れば、人間という存在は、自分をいじめたり殺したりする有害な対象であるか、それとも日々エサを与えてくれる有用な対象であるか、のいずれかであって、本質的な意味で、『崖の上のポニョ』のように仲良くなったり理解しあえるというようなことはあり得ない。なので放送でも紹介されたように、「金魚をびっくりさせたり不安にさせず、適量のエサを与えれば、怖がる理由がないのでなつく」ということになる。この場合の「なつく」というのは、金魚の防御反応(逃げる、飛び跳ねる)を消去し(もしくは馴化、habituation)、飼い主がエサ出現の弁別刺激として機能するようになるということで、そう言ってしまえば身も蓋もないが、それが魚類と人間の関係の真実である。