じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 生協食堂2階で、「トレーを撮影するだけで、お会計が完了する」という「トレーチェック」の試験運用が始まった。この方式については1月26日の日記でも取り上げたことがあるがイマイチ仕組みが分からない。撮影したメニューをAIが自動解析するのか、レジ担当者が利用者が少ない時間帯に撮影された写真をチェックして代金を計算するのか...。

2022年3月24日(木)



【連載】ヒューマニエンス「“天体のチカラ” 絶滅と進化のインパクト」(2)もし月が無かったら/恐竜人間ディノサウロイド

 昨日に続いて、2021年12月16日に初回放送された表記の番組についての備忘録と感想。

 放送では「月のチカラ」に関連して、月が誕生した頃、月と地球との距離は約2万4000キロしか離れていなかった(現在は約38万キロ)という話題が取り上げられた。もし月が無かったら、
  1. 地球の自転はもっと速いままであった。
  2. 地球への天体衝突が増えていた(月の重力が飛来する小天体などの軌道を曲げている)。
  3. 地球の自転軸は傾いているため不安定になりやすいが、月によってある程度安定化されている。
といった可能性が指摘された。

 このうち、1.については、地球が単体で太陽の周りを回っていた場合でも、潮汐力の影響で自転は遅くなり、いずれは公転と同期して、水星と同じような共鳴関係(水星の場合は、自転周期58.7日、公転周期88日で2:3)で安定する可能性はある。むしろ、月があることで太陽引力による自転速度へのブレーキが緩和されているのではないだろうか。
 2.については、月面にあるクレーターの数のぶんだけ、地球への衝突が回避できたと見なすこともできるだろう。ちなみに、ウィキペディアに記されているように、「表には大きな海が多数分布するのに対し、裏は海がほとんどなく、表30%、裏2%である。この理由について詳しくは分かっていない。 」とされている。月の裏面は地球からみて外側を向いているぶん、天体が衝突しやすいような気もする。いっぽう月のおもて側は地球からみて内側を向いているので、直観的には地球のほうに引き寄せられるぶん衝突は起こりにくいようにも思われるが、衝突物体の軌道はそんなに単純なものではないらしい。余談だが、月のおもて側に「海」が多いのは月食のせいだという説を耳にしたことがある。月食は月のおもて側のみで起こる現象であるが、地球の影で太陽光が遮られ、また月食後に突然太陽が当たるため、短時間で急激な温度変化が起こり岩石を膨張・収縮させる。そうやって砕けた岩が「海」になったという説で私は大いに納得したが、あまり支持されていないようだ。このほか、月のおもて側は地球の熱を受けたという説もあるようだ。こちらによれば、
月の表側の月の海の地形については、最近月内部の重力分布を観測したNASAの月探査衛星の結果が出されて話題になっています。それによると兎の形を生み出したのは月面が冷えて岩石の層が収縮して大陥没した場所に内部から黒色の玄武岩質の溶岩が溜り、そこへいくつもの衝突でクレータが重なって出来たと説明されています。
という説が有力のようである。

 放送では続いて、地球に衝突する小天体の影響が論じられた。最も有名な例は6600万年前に飛来した直径10kmの小天体であり、これがもたらした寒冷化やガスなどの影響により恐竜を初め地球上の75%の生物が死滅した。しかし、大量絶滅は新たな進化をもたらす。大量絶滅で空間が空いたところに「適応放散」が生じる。もし恐竜が絶滅しなかった場合は、人類の代わりに、爬虫類の一部が進化した恐竜人間「ディノサウロイド」が誕生した可能性があったという。番組に出演しておられた更科功先生(東京大学総合研究博物館・明治大学)も、ディノサウロイドをアップデートした知的生物を考案したという。もっとも更科先生の「恐竜人間」の形はカラスそっくり、但し眼鏡をかけていて、大きさは人と同じくらいとされた。また人間と違って羽毛をつけたままであったが、その理由は、集団で暮らさないためであるという【←人間は、集団生活と共に脳が巨大化したためシラミなどの寄生生物が付着した。それを避けるように進化したため毛を失った】。

 次回に続く。