じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡大・生協食堂で、少し前から「スマホでトレーを撮影するだけで会計完了」というトレーチェックが試行されている。ミールカード利用者限定ということなので私は参加できないが、どういう仕組みで正確に決済できるのか、興味を持った。考えられるメリットとしては、
  1. レジ担当者が利用者と対面することがないので、新型コロナの感染防止になる。
  2. レジが閑散として、レジ担当者は立ちっぱなしで何もすることがないという時間帯がある。あとで画像に基づいて集中的にレジ打ちすれば、人件費の節約になる。
いっぽう、この方式であると、
  1. 副食の量り売りができない。もっともコロナ感染拡大後は、この方式は中止されている。
  2. 画像が不鮮明の場合、異なる金額が請求されることがある。
というデメリットがあるように思われる。
 ちなみに私自身はミールカード利用者ではないが、栄養管理の観点から、生協食堂を利用した時は必ず、その日の食べ物をデジカメで撮影している。


2022年1月26日(水)



【小さな話題】1月に視たTV番組から(1)「山本読書室」「まぼろし博覧会」

 1月に視たTV番組(昨年録画した番組の再生を含む)の感想。
  • 【NHK-BSP 2022年1月22日初回放送】歴史発掘ミステリー 京都 千年蔵「幕末奇譚 知を武器にかく闘えり」」
     リンク先によれば、「歴史発掘ミステリー 京都 千年蔵」というシリーズは、第一弾として2020年8月22日に「大原 勝林院」、2020年12月29日に同タイトルの59分版が放送され、今回が第三弾(実質第二弾)ということになるのだが、なぜ1年以上開けて同じシリーズとして放送されたのかは謎である。
     今回は、京都の中心地の一角に残る山本読書室が取り上げられた。この施設は、博物館、図書館の機能を有し7512点の文化財を収納、また1784年から1867年までに1600名余りの門人が出入りしたが、その中には幕末の偉人たち、陰陽師、忍者などが含まれていたという。
     放送では、松浦武四郎の活躍、雑学を活かした硝石の生成、西南戦争で岩倉具視が利用した暗号のエピソードなどが紹介されていたがいずれも興味深い内容であった。
     このうち松浦武四郎のエピソードでは、武四郎が作成した北海道国郡図に川の支流など9800ものアイヌ語の地名が書き込まれていること、秘伝書に基づく神速歩行の科学的解明などが取り上げられていたが、山本読書室とはあまり関係なさそうに見えた。本来は別の1本の番組として制作すべき豊富な内容であったが、何らかの事情でボツにされてしまったのかもしれない。
     硝石のエピソードは、ペリー来航により、日本国内で採掘できない硝石をどうやって作り出すかという内容であった。『硝石製練法口訣』という書物によれば、その原料は「民家の床下の土」であるという。床下の土には、人間の垢や、蚕の糞が上から落ちて硝酸イオン(Ca(NO32)として堆積しており、これに植物の灰(K2CO3)を混ぜると、
    Ca(NO32+K2CO3→CaCO3+2KNO3 という化学変化が生じて、硝石(KNO3)が生成できるというものであったが、この化学変化の知識はもとより、それを「民家の床下の土」に結びつけた着想はスゴイと思う。もっともこの方法で作り出せる硝石は微量であり実用性は無かったようだ。
     硝石に関連して、大砲作り、さらに西南戦争で使われた暗号の話が出てきたが、これらはいずれも知識が戦争に利用されるという負の側面を取り上げたものであった。
     山本読書室は1903年に閉塾し、現在は蔵の中の所蔵品は子孫によって細々と保管されているということのようだが、番組の終わりの所でも指摘されていたように、さまざまな分野に活かせる知の宝庫として活用できる可能性があり大いに楽しみである。
  • 【NHK総合 2022年1月15日初回放送】ドキュメント72時間「ゆめまぼろしのテーマパークへようこそ
    静岡県・伊東市のまぼろし博覧会というテーマパークを取材したものであり、興味深い展示物がいろいろと紹介された。館長さんがお元気なうちにぜひ一度は訪れたいと思うのだが、このコロナ禍のもとではどうにも動きがとれない。あと、車がないとアクセスが大変のようであった。
     「ドキュメント72時間」は、定点を訪れる個々人が語る苦労話、もしくはその定点を守る人の思いなどが語られる点に特徴があるのだが、この放送に限っては、いろいろな展示物の紹介はあったものの、入園者それぞれの個人的なエピソードはあまり取り上げられていなかった。館長さんも放送の中では氏名・年齢不詳のままであり、何を目指しているのかもよく分からなかったが、ま、そういう特徴こそがこの施設の魅力なのかもしれない。