じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 各種報道によれば、2022年3月16日23時36分ごろ、福島県沖を震源とする大きな地震が発生した。マグニチュードは7.3、最大震度は6強、震源の深さは60km(NHKニュースでは、マグニチュードは7.4、震源の深さは57km)と推定されている。被害に遭われた方々へお見舞い申し上げます。
 写真は、月齢14.2の月の入り。大地震と月齢の関係については2004年のスマトラ島沖地震、2010年のチリ地震、2011年の東日本大震災など、いずれもマグニチュード8.8を超える巨大地震が、満月または新月の前後に発生していたことが判明。大潮の時期には、海底の地殻プレートへ潮汐による多大な力がかかり、そこへ太陽や月の引力も加わって、大地震につながりやすい...」という説があるそうだが、今回の地震も満月の少し前に発生している。もっとも満月や新月以外の時期でも大きな地震が発生する恐れはあり、常に警戒を怠ってはならない。

2022年3月17日(木)



【連載】ヒューマニエンス「“時間” 命を刻む神秘のリズム」(2)1日のリズム

 昨日に続いて、2021年12月16日に初回放送された表記の番組についての備忘録と感想。

 放送では「時差ぼけ」について更なる解説があった。
  • マウスの飼育条件を変えて夜の時間を1回だけ8時間削って以後新しい明暗周期に変えたところ、それまで安定していた活動のリズムが崩れて体の調子が悪くなるが、7日くらい経てば、新しい周期に合わせた活動リズムが形成された。
  • シアノバクテリアの遺伝子に傷をつけて体内時計を15時間から150時間まで変えることができる。体内時計は細胞が無くても刻まれる。3つのたんぱく質とエネルギー(ATP)を試験管に入れると、自発的に時計が刻まれる。【近藤孝男先生(名古屋大学)の研究】
 このように生物には時差ぼけを修正する仕組みが備わっているが、動物実験によると、時差ぼけを毎週繰り返すような環境では早死にが起こりやすいという。

 体内時計は、生物多様性にも貢献している。例えば、同じ場所で、朝に活動するハエと夜に活動するハエは共存できる。さらにはそのハエを餌にする生物も、朝と夜の2種類が棲み分けできる。このほか季節変化に適応する能力にも体内時計が関与しているようである。

 ここでいったん私の感想・考察とするが、私自身は大学院生の頃、26時間サイクルでの生活を試みたことがあった。夜は眠くなるまで勉強を続け、眠りについたら眠りたいだけ眠る。そうすると、就寝時間や起床時間は2時間ずつズレていくというもので、それなりに勉学の効率を上げることはできた。とはいえ、外食、銭湯などは24時間サイクルで営業しているので、規則性が守れないこともあった。また、動物実験をしている期間は、動物に合わせた生活をする必要があり24時間サイクルを守る必要があった。
 あと、体内時計は地球の自転(23時間56分4.098903691秒)という話があったが、正確には、昼と夜の繰り返しである「1日の長さ」に依存しているように思う。「1日の長さ」は定義上は24時間ジャストだが、太陽を回る軌道が楕円であることなどから、南中時刻は日によって変わっていく。例えば岡山の3月17日の南中時刻は、12時13分であるが、1月31日から2月23日頃は12時18分、また5月頃には12時01分となっている。さらに10月〜11月には11時48分まで早まる。なので、日の出から日の入りまでの明るい時間帯に活動していた大昔の人たちは、季節によって1日の長さを微妙に調整していたはずだ。
 このほか、日本国内では、東の地域ほど日の出・日没が早く、西のほうほど遅くなる。以前、5年間だけ長崎に住んでいたことがあるが、長崎では5月頃になると20時過ぎでもまだ明るく、夕食後、子どもたちが外の公園で遊んでいたことを思い出す。こうした行動様式の違いは、県民性にも何らかの影響を及ぼしているかもしれない。

 次回に続く。