じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 NHK岡山のローカルニュース(3月15日17時37分配信)によれば、コロナ禍で債務超過となっている公共交通事業者が20%超になっているという。そう言えば、最近、岡電バスの停留所に画像のようなお知らせが掲示されていた。定期券割引率や、ハレカカード(プリペイドカード)のプレミア加算率が見直されるということで実質運賃値上げとなったようだ。
 もっとも私自身は昨年12月10日の無料の日以来、一度もバスに乗っていない。高齢者優待の「ハレカハーフ」も昨年11月末に一度利用しただけとなっている。ハレカハーフ自体の値上げは無いが、プレミア加算率が8%から2%に縮小された点は普通のハレカカードと同様。

2022年3月16日(水)



【連載】ヒューマニエンス「“時間” 命を刻む神秘のリズム」(1)体内時計/昼と夜が同じ長さになる日

 2021年12月16日に初回放送された表記の番組についての備忘録と感想。この番組は、放送直後に視聴したことがあったが、メモをとっていなかったため内容をすっかり忘れてしまった。【最近は物忘れがますますひどくなってきたため、「どこかで聞いた話だがちっとも思い出せない」ということのないよう、Web日記に自分の言葉で記録していくことがますます必要となっている。】

 この回は、体内時計や睡眠研究から生命システムの解明にいどむ上田泰己先生(東京大学、理化学研究所)と、「走る哲学者」として知られる為末大さんが出演された。上田先生は、ヒューマニエンス 「“睡眠” ヒトは眠りで進化した?」にも登場されており、また、為末大さんは「瞑想でたどる仏教 心と身体を観察する」でお馴染みであり、そのぶん、親しみの持てる内容であった。

 放送ではまず上田先生の「透明マウス」を使った体内時計の研究が紹介された。体内時計はからだのいろいろな臓器にあると考えられているが、透明マウスの研究によれば、視交叉上核(しこうさじょうかく)の活動は昼に強く夜に弱いという24時間周期で活動していることが分かる。この視交叉上核が、人間では直径1oほどの細胞の塊であり、臓器ごとのバラバラの体内時計を協調して働かせる役割を担っており、「中枢時計」と呼ばれている。こうした中枢のコントロールにより、
  • 23時〜午前01時:自然分娩開始
  • 01時〜03時:血中成長ホルモン最高
  • 05時〜07時:自然出産確率最大
  • 11時〜15時:血中コレステロール最高
  • 15時〜17時:アドレナリン体力最高
  • 17時〜19時:尿量最大
といった体のリズムができあがる。そのいっぽう、
  • 07時〜11時:心筋梗塞、脳梗塞
  • 19時〜21時:脳出血リスク最大
  • 21時〜23時:アトピー性皮膚炎発作【免疫系の準備過剰による】
というように病気のリスクが高まる時間帯があるということであった。

 こうしたリズムにより、スポーツ選手は午後のほうが活躍できるといったことが予想される。そういう意味では大相撲が夕刻に行われるのは理に適っているとも言える。オリンピックの決勝種目もおそらく夕刻が望ましいが、スポンサーの要望や開催地の気温などによって朝に行われる場合もあるようだ。

 このほか、細胞が分裂する時間帯もそれぞれ決まっており、爪が伸びやすい時間、髪の毛が伸びやすい時間もある。また体全体には時計細胞がありそれぞれ時計遺伝子を持っているが、その中で「朝遺伝子」、「昼遺伝子」、「夜遺伝子」がそれぞれ「昼遺伝子活性化」、「夜遺伝子活性化」、「朝遺伝子不活性化」という順繰りの働きをすることで1日のリズムが生まれてくる。

 放送では続いて、2021年3月14日、フランス・ロンブリーブ洞窟で行われた実験が紹介された。男女15人が隔離された洞窟の中で40日間過ごしたが、本人たちは30日間と体感されたという。体内時計はもともと地球の自転に合わせた調整であった。地球は46億年前の誕生直後には4時間で自転しており、その後22億年ほど前には21時間に、(その後はなぜか21時間程度で安定した時期が続き)、7億年前から現在に至る間に24時間まで延びている。こうした自転の変化に対応するため、生物は太陽の光がもたらす明暗のサイクルを利用した調整が行われているという。




 ここからは私の感想・考察になるが、私自身は日々規則的な生活を実践しており、朝は5時頃になると自然に目が覚め、夜は21時過ぎになるとすぐに眠くなり、寝付きもいい。夜中にトイレに行くことが2回ほどあるが、これもどうやら真夜中12時と午前03時頃でほぼ決まっており、そのあともすぐに寝てしまう。そして、定年退職後は、授業や会議などで時間が拘束されることが無くなったため、ますます規則的になってきた。食事は、朝は5時半、昼は11時、夜は17時と決まっていて、間食は一切とらない。ウォーキングの時間帯も、午前(たいがいは岡大構内)と午後(たいがいは半田山植物園)の2回でほぼ決まっている。かなり健康的な生活が維持できているように思う。

 体内時計の影響を強く感じるのは海外に出かけた時であるが、日本から西方向に向かった場合で時差が6時間以内であれば、1日でほぼ慣れるようだ。西のほうの国では、日本が真夜中なのにまだ日没前で明るかったりするが、そのあと1泊したときにたっぷり眠れるので適応しやすいというメリットがある。これに対して、東方向に向かった場合(西の国から日本に帰国した場合を含む)は、あっという間に夜になってしまうのでなかなか寝付けず、また翌日の朝がすぐにやってくるため、慣れるのに2〜3日はかかることが多い。

 余談だが、国立天文台の暦によれば、明日(3月17日)の岡山は、日の出が午前06時13分、日の入りが午後6時13分で、日の出と日の入りの時刻がいずれも6時13分となる。岡山では、9月27日にも、日の出が午前5時55分、日の入りが午後5時55分となり、いずれも5時55分となるところが興味深い【その年によって1日ずれたり、ぴったり同じにならないこともある】。昼と夜の長さが同じになる日というのは、日の出の12時間後に日の入りになることを意味するので、日本中どこでも、午前と午後の表示ではぴったり同じ時刻になるのが当然であるが、岡山の9月27日のように、すべて「5」だけが並ぶ地域は、岡山近辺の経度に限られている。なお「日の出が午前4時44分、日の入りが午後4時44分になる地域」は、国立天文台の暦では掲載されていないようだ。日本のかなり東の地域、南鳥島か北方領土のあたりには存在するかもしれないが未確認。