じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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12月12日の岡山は一日中曇りの天気となり、日照時間は0.7時間に過ぎなかった。この日は、降水量はゼロであったものの黒い雲に覆われる時間が長く、まるで皆既日食直前の空のように見えた。
 写真は半田山植物園の中腹から市街地を眺めたところ、撮影時の天気図(右下)によれば、日本海で発生した低気圧が津軽海峡付近を通過し、寒冷前線が鳥取県のあたりまで伸びていた。傘を持参しておらず、雨が降らなかったのは幸い。


2021年12月13日(月)



【連載】チコちゃんに叱られる!「ラップがくっつく理由」「奈良大仏の印相」

 昨日に続いて、12月10日に放送された表記の番組についての感想と考察。本日は、
  1. 眠れないときに数えるのはなぜ「ヒツジ」?
  2. なぜラップはくっつく?
  3. 奈良の大仏様が手をあげているのはなぜ?
という3つの疑問のうち、残りの2.と3.について考察する。

 まず2.のラップがくっつく理由については、番組では「真っ平らだから そして柔らかいから」と説明された。
 私の理解した範囲では、この「平ら」と「柔らかい」は独立しており、複合的に働いているようであった。
 まず、ラップとポリ袋の表面を顕微鏡で比較すると分かるが、ラップの表面が真っ平らであることがすぐに分かる。この世の物質はものすごく近づくと分子と分子が引っ張り合うという「ファンデルワールス力」が働く。その仕組みは、以前、接着剤はなぜくっつくか?(2019年9月13日放送)という疑問の時にも説明されたことがあった。
 もう1つの「柔らかいから」というのは、柔らかいゆえに、いろいろなものに密着させることができるが、そうすると密着した部分の内側と外側で大気圧の差ができる。
 なお、2番目の大気圧による説明では、密着した部分の内側と外側で大気圧の差が出ると説明していたが、小鉢に入れた食べ物にラップをかけて電子レンジで暖めると、熱いときはラップがふくらむが、冷えていくにつれて収縮し、凹むようになる。この場合は、小鉢の内側部分と外との大気圧の差でラップが内側に引っ張られたものと考えられそうだ。

 番組ではさらに、ラップに関するいくつかのQ&Aが紹介された。
  • くっつきにくいラップがある→ラップの原材料には、主に「ポリ塩化ビニリデン」製と「ポリエチレン」製が使われている。ポリ塩化ビニリデン製は、くっつきやすく、においや水蒸気や酸素を通しにくいという特徴がある。いっぽうポリエチレン製は、多少くっつきにくいが、酸素を通しやすいので、包まれた野菜や果物が呼吸できるというメリットがある。
  • くっつかない食器がある→凹凸の多い食器ではファンデルワース力が起きる範囲が少ない。水をたらすとくっつきやすくなる。
  • ラップの切れ目が分からなくなる→スポンジでこすると、少しずつめくれていく。

 なお、ネットで検索したところ、こちらに、いろいろなラップの特性や原材料が紹介されていた。




 最後の4.の大仏が右手を上げている理由だが、番組では、「「怖がらなくていいですよ〜」のポーズ」であると説明された。右手を挙げているのは「施無畏印(せむいいん)」という印相であり、「恐れを無くそう、怖がらなくていい」と相手を励ますサインである。いっぽう、左手は「与願印」と呼ばれ、「願いを与えます、願いをききますよ」というサインになるという。なので奈良の大仏様のポーズは、両方を合わせると「怖がらずに願いを言ってください」ということを意味するという。
 番組ではこのほか、
  • 三千院の阿弥陀如来像の右手は来迎印のサインであり「極楽浄土からお迎えに来ましたよ」という意味。OKポーズは輪廻転生を表しているという説がある。
  • 広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゅいぞう)のしぐさは思惟手(いゆいしゅ)。
といったポーズの意味が紹介された。

 私が勝手に岡大観音と名づけている像は、右の手のひらを下に向けているので「与願印」のように思われるが、左手で持っているマイクのようなものが何を意味するのかは未確認。なお、「岡大観音」の謎は2011年5月31日の日記ですでに解明されている。