じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 このところガソリンの高値が続いている。写真上は、岡山でいつも利用するガソリンスタンドの価格。実際には、クーポンや会員割引などにより表示より5円ほど安くなっている。写真下は、北九州に帰省した時にいつも利用している格安スタンドの価格。ここはさすがに安い。

2021年11月27日(土)



【連載】チコちゃんに叱られる!「辛い玉ねぎを炒めると甘くなる理由」、「宇宙ステーションで体が浮くのは」「フレーフレーの由来」

 11月26日に放送された表記の番組についての感想と考察。この回は、
  1. 生で食べると辛いたまねぎが炒めると甘くなるのはなぜ?
  2. 宇宙ステーションで体が浮くのはなぜ?
  3. 応援団が言っているフレーフレーってなに?
という3つの疑問が取り上げられた。

 まず1.のタマネギの味の変化については、番組では「本当はいちごと同じくらい甘いから」と説明された。 もともとタマネギには、プレンクソ(アミノ酸)とアリイナーゼ(酵素)が含まれていて、この2つの成分は噛んでたまねぎの細胞が壊れるとスルフェン酸をつくる。このスルフェン酸にLFS(酵素)が働きかけて辛味成分をつくる。しかし炒めると、この酵素が壊れるため新たな辛味成分は作られなくなり、いっぽうすでにあった辛味成分は水分と一緒に蒸発する。いっぽうもともとあった糖分は、生の時はフラボノイドとくっついていて甘味が抑えられているが、炒めると分離して甘くなる。
 ちなみに、もともと甘いはずのタマネギを生で食べると辛く感じるメカニズムは2002年の研究で初めて分かったという。また、タマネギの糖分自体は、イチゴに近い糖度であることが番組の中の実験でも示されていた(いちご 8.4度、生のタマネギ7.2度)。
 似たような話題は以前にもどこかで聞いたことがあったと思ったが、過去日記を検索したところ、 といった話題が取り上げられていたことが分かった。




 2.の宇宙ステーションでの「無重力状態」については、番組では、「落ち続けているから」と説明された。宇宙ステーションもその中の飛行士も、毎秒5mずつ落下しているが、丸い地球の上を横に毎秒8kmの速さで移動しているため、同じ高度が保たれている。番組では宇宙飛行士訓練用の飛行機の中で、飛行機が急降下した時に実際に「無重力状態」が生じている映像が紹介されていた。

 宇宙ステーションでの無重力状態については、少なくとも2つの俗説があるように思う。
  1. 地球から遠く離れているので、地球の重力の影響を受けていないから
  2. 地球の引力と、地球を回っている宇宙ステーションに働いている遠心力が釣り合っているから
このうち、1.については、宇宙ステーションが飛んでいる400km上空では、地上の重力に比べて10%ほどしか小さくなっていないという。
 いっぽう2.については2019年4月23日の日記などで考察したことがあった。今回の番組では、遠心力の働きについては何も言及されなかったがどうなっているのだろうか。
 番組の説明「落ち続けているから」でもう1つ疑問に思うのは、物が落ちるときの落下速度は加速度が働いて時間とともに速くなるのではないかという点。この加速度を抑えているのが遠心力ということだろうか? とにかく、高3で物理の選択を諦めて以来一貫して、物理学のことはサッパリ理解できない。




 3.の「フレーフレー」については、番組では「早稲田大学野球部が輸入した掛け声」と説明された。早稲田大学の野球部の初代部長の安部磯雄が率いる野球チームがアメリカに行った時に、最新の野球道具や戦術、技術などとともに伝えたカレッジエールがもとになっているという。初めて使われたのは1905年11月の早慶戦3回戦で、この声援の効果があったのか、早稲田大学が勝利したという。
 早慶戦については2009年8月22日の日記でも取り上げたことがあった。その後、いつだったか、神宮外苑を散策していた時に、たまたま神宮球場で早慶戦がまもなく始まるタイミングであったことに気づき、観戦したことがあった。優勝には関係の無い最終戦ということもあり、観客はまばらで、これが本当に早慶戦なのかと目を疑うほどであった。
 もとの話題に戻るが、ネットで検索したところ、こちら
資料1 杉本つとむ『語源海』東京書籍, 2005【812.03/053/R】 p.537「フレーフレー」の項 「(前略)運動会の競技や綱引,球技大会などでかける声援。フラーとも。(中略)英語,フレー hurray,フラー hurrah はともに〈万歳・愉快〉などの意。応援で旗を〈振レ振レ〉という掛声ではない。したがって,英語では結果として,〈万歳!やった!〉の用法であるが,日本ではむしろ〈我張れ(がんばれ)〉の掛け声と同様で,過程(プロセス)での励ましことば(フラーはほとんど用いない)。(後略)」

資料2 西谷裕子, 米川明彦監修『身近なことばの語源辞典』小学館, 2009【812.03/09Y/R】 p.80「フレーフレー」の項 「競技者を激励・応援するときの掛け声。「フレー」は英語のhurrahで,歓喜や賞賛,激励を表す叫び声。もとは「万歳」の意。そのフレーを重ねて,運動会や競技会などで用いられるようになったのは大正時代のようである。」

資料3 増井金典『日本語源広辞典』ミネルヴァ書房, 2010【812.03/104/R】 p.782「フレーフレー」の項 「語源は,「英語hurray(万歳・やった),hurrah(万歳・愉快)」です。競技や試合中の励ましのガンバレの用法は,フレーで,フラーは使いません。」
といった説明があった。

 応援の時の掛け声としては、このほか、綱引きで使われる「オーエス」の疑問が取り上げられたことがあったはずだが、チコちゃんの番組だったか、それ以外の雑学系番組だったかは思い出せない。このほか、コンバットマーチが1965年に早稲田大学応援部吹奏楽団によって作曲された応援曲であるというのは今回初めて知った。