じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡大・生協食堂の箸が、セロハン包装の竹箸から、紙包装の割り箸に切り替えられた。環境対策によるらしい。もともとこの食堂では、塗り箸と、包装していない使い捨て割り箸が用意されていたが、コロナ禍のもとで、塗り箸は中止され、使い捨ての箸は包装された竹箸に切り替えられていた。以前は、使い捨て割り箸はリサイクル用の容器で回収されており、近々、リサイクルのほうも再開されるものと思われる。


2021年9月8日(水)



【小さな話題】『発想転換!世界を変えるシン・キング』スーパーのレジ、パン屋さんの食品ロス、緑色の液体石鹸、ほか

 8月20日(金)の19時57分から、NHK総合で表記の番組を放送していた。番組サイトによればどうやら、この日が初回放送の新番組のようだが、次回の放送予定は「9月11日(土)午前10:05ほか 放送予定へ」【←「日本人のおなまえ」の放送時間のはず】となっているものの、本当に放送されるのか、それが再放送なのか2回目の放送なのかよく分からない。最近、NHKでは、
  • 8月10日に取り上げた『21世紀の複雑社会を超定義』
  • 8月21日に取り上げた『世界四大化計画〜Mr.ザッハトルテの野望〜』
  • この日記では取り上げていないが8月16日放送の『万物トリセツショー
というように、いくつかの雑学バラエティー番組が開始されているが、2回目以降がいつ放送されるのかが全く不明のものが多い。レギュラー番組に昇格したのか、打ち切りとなったのか、まだまだ決めかねているのだろうか。

 さてこの『シン・キング』だが、番組サイトに、
世の中の“人々を悩ます問題”を「発想の転換」で解決した事例をクイズ形式で出題。目からうろこのアイデアの数々を紹介します。注目は出演者がそれぞれの目線でアイデアを持ち寄る「協力プレー」。お互いの意見を否定せず自由にアイデアを出し合います。みんなのちょっとした思いつきがお互いを刺激し、アイデアが生まれる瞬間までのワクワク感を視聴者のみなさんと共有!
と紹介されているように、この番組は、出演者の解答をいきなり正解・不正解として判定するのではなく、KJ法のようなやり方であれこれアイデアを出し合い創造的な解決法に発展させる、というユニークな特徴を持っていた。ちなみに、「チコちゃんに叱られる!」の場合は、不正解者は「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られ、正解しても「つまんねーヤツだな〜」とあしらわれ、あとは専門家の解説を受け身的に拝聴するといった内容になっているが、こちらの「シン・キング」のほうは、出演者がまず自分たちでしっかり考える手順を踏んでから、正解(実際に成功した解決法)を紹介するという構成になっており、まことに興味深い。

 今回番組で取り上げられた事例と、実際の解決策は以下の通りであった【以下、ネタバレ満載】

  1. スーパーで、生鮮品購入者から品質についてクレームをつけられることがある
    →品質に問題がありそうな商品については売り場に「オネスト(正直)カード」を取り付け、 「大雨・気温上昇の影響で品質が悪く出荷量も減少しております。価格も高騰しているため、できればご購入を見合わせてください」といったメッセージを伝える。
  2. スーパーのレジの行列を減らす
    →バーコードを大きく、かつどの角度からも読み取れる(多面バーコード)に買えることで、新人店員がバーコードを読み取る際にかかる時間ロスを減らす。
  3. パン屋さんの食品ロスを減らす
    →売れ残りのパンを複数の店舗から集めて、夜間に1店舗で販売する。販売スタッフには、コロナ禍で職を失った路上生活者や学生なども加える。
  4. 交通渋滞の多いインド・ムンバイでは、運転者が信号を待つ間にクラクションを鳴らすという騒音問題が深刻化した
    →信号機に取り付けた騒音計が85dBを超えると、青信号の待ち時間が延びる。これにより運転車は静かに待つようになった。
  5. ベネズエラでは2016年の総犯罪件数は32万4519件。警察官は必要数の30%しか確保できていない。パトカーも故障が多い。
    →壊れたパトカーを外装だけ綺麗にして町中に設置。
  6. 1952年、赤痢により年間2万人もの死者が出た。その対策として、公共トイレに石鹸を置くようになったが、固形石鹸ではすぐに盗まれてしまう。そこで液体石鹸が開発されたが、全国に普及させるためには問題があった。それは何か? またどう解決されたか?
    →液体石鹸は固形石鹸の3倍の重さになり輸送コストがかかる。そこで、固形石鹸の1/3の重さになる原液を販売し、使用者に薄めてもらった。同時に専用の液体石鹸用容器(押すと石鹸が出るヤツ)を提供した。これにより、赤痢感染者の減少に貢献。


 ここからは私の感想になるが、
  • 2.のスーパー・レジの行列については、私にはバーコードの読み取りの手間よりも、代金支払いやおつりの受け取りのほうが待ち時間を長くする原因になっているように思われる。近隣の大規模スーパーの中には、レジと支払い機を分離し、2列のレジに対して3〜4台の支払い機で対応している店がある。また、プリペイドカードの支払いを優遇することで釣り銭の授受による時間ロスを減らしている店も多い。
  •  3.のパン屋さんの食品ロス防止については、1つの店だけでは対処できないことが多いように思う。というのは、例えば閉店30分前に半額セールを始めたりすると、それを知っているお客は、半額になるのを待ってから購入するようになるからである。複数の店の売れ残りを回収して別の店で売るようにすればそうした損失は避けられる。
  •  4.のムンバイの事例だが、私の知る限りではインドの交差点は大部分がロータリー交差点であり、交差点の手前で赤信号になることは少なかったように思ったが、映像では日本と同じような信号式交差点の映像が映っていた。クラクションを鳴らすと待ち時間が長くなるというのは、まさに、行動分析学でいう「好子出現阻止の随伴性」もしくは「嫌子消失阻止の随伴性」、つまり行動しなければじきに【前に進めるという】好子が出現(もしくは【停車状態が長引くという】嫌子が消失する)という変化が生じるが、【クラクションを鳴らすという】行動してしまうとその変化が阻止されるという随伴性によって制御されているという事例であると言えよう。
  •  最後の緑色の液体石鹸はこちらの会社の商品のようであり、私自身も小中高の頃にはずいぶんとお世話になった。もっとも、最近では、透明の液体石鹸に切り替えられているところが殆どであるように思う[]。緑色の正体はどうやら緑色201号、緑色204号といった合成着色料であり、衛生機能上は必ずしも必要なさそう。タンクの分量のチェックには役立つだろうが。
    追記]岡大・生協食堂(マスカットユニオン)入口の洗面所には、緑色の液体石鹸が置かれていた。