じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 停滞前線が日本列島上空に横たわり、各地で大雨の警報が出ている。この日記の執筆時点(8月14日朝)では福岡県、佐賀県、長崎県の計24市町に特別警報が発表されている。
 画像左上は8月13日正午の気圧配置。オホーツク海と小笠原近海に高気圧が対峙し、梅雨末期の典型的な気圧配置になっている。また8月13日の朝5時50分時点での8月13日の天気予報では、沖縄と北海道を除くすべての都府県の予報から晴れマークが消えており、中国・四国、近畿、北陸・東海地方では、すべての府県が1日中雨という予報になっていた。また、翌日8月14日朝の天気予報もほぼ同様で晴れマークが消えていた。
 梅雨の時期でも、このように広範囲にわたって雨の予報が出ることは珍しいように思う。どこで被害が発生しても不思議ではない深刻な事態になっていると言えよう。


2021年8月14日(土)



【連載】さっぱり分からん暗号資産(5)これからの展望

 昨日に続いて、7月19日の22時〜22時30分に、NHK総合で放送された、

21世紀の複雑社会を超定義「暗号資産(仮想通貨)を超定義の巻」

という番組の感想と備忘録。

 昨日までのところで、番組内容に基づいてビットコインの歴史の概要を要約したが、その後、ビットコインに無い特長や弱点を補う仮想通貨が開発された。これらは「Alterative coin(代替通貨)」という意味から「Alt Coin」と呼ばれており、例えば、
  • 万能系:ゲームを作ったり契約を自動化できる
  • スピード系:超高速かつ低コストの国際送金ができる
  • エコ派:マイニングの電力消費が低い
などがあり、一説には2000種類以上が存在すると言われているという。

 また、これらとは別に、各国の中央銀行が、ブロックチェーンの技術を応用したデジタル通貨(法定通貨のデジタル版)の研究を進めているという。但しこれらは、サトシ・ナカモトが目ざした「銀行や国家に管理されない俺たちの通貨システム」という理想とは対極のものになっている。

 なお、日本では、2020年5月の改正資金決済法施行に伴い、これまでの「仮想通貨」は「暗号資産」という呼称に変更された。最後のところで、番組に登場された坂井豊貴先生(慶應義塾大学)は、
法定通貨とビットコインのような暗号資産は互いを補う。政府や中央銀行が介入できないため、国が傾いた時でも影響を受けにくいからだ。そのようなリスクヘッジの手段として支持され続けるのではないか。
というようにこれからの展望を述べておられた【長谷川の聞き取りによる】。

 番組内容は以上であったが、この番組では、ブロックチェーンの技術がいかに偉大であるかということには言及されたものの、それがどういう仕組であるのかは殆ど説明がなされていなかった。

 ブロックチェーンについての比較的分かりやすい説明は、こちらに掲載されており、私も何となく分かったような気持ちにはなったが、専門用語に関する基本的な理解がないため、比喩的な納得のレベルにとどまっている。とりあえず理解できたのは、不正行為に対して、
  • 詐取するより採掘したほうが割に合う。
  • 不正をはたらこうとすると、電気代のコストがかかって、むしろ損失を伴ってしまう。
  • 攻撃者は少数派とならざるを得ず、善良な参加者に勝つことは絶望的。
という仕掛けがあることだ。もっとも、不正を働くこと自体を目的とする行為(自分の利益を増やすことよりも、世の中を混乱させることに喜びを感じる犯罪者、テロリスト、敵国の工作員など)が防げるかどうかはよく分からなかった。
 それと、8月11日の日記にも書いた、
「送金する」という行為が成り立つのは、送る側と受け取る側の本人確認がしっかりできていることが大前提となる。しかし、創始者のサトシ・ナカモトの正体さえ分からないという中で、どうやって本人確認は保証されているのだろうか。ここまで聞いた限りでは、ブロックチェーンの技術の中には本人認証の技術は全く含まれていないように思われる。
という疑問は依然として解決していない。仮に、「婚姻届け」をブロックチェーン技術で受理した場合、どうやら、重婚は避けることができそうであるように思われるが、婚姻届けに記された名前が架空であったり、別の人物を詐称したりしていたとしても、ブロックチェーン技術自体からその不正を見抜くことはできないように思われる。さらに、重婚は防げるとは言っても、同一人物が複数のIDを取得していれば、それぞれのIDで別人物と結婚することもできるはずだ。
 もっとも、そもそも、いまこのWeb日記を執筆している人物が長谷川であるのか、ニセモノのなりすましなのかと言われても、確実な証拠を示すことはできないかもしれない。親が出生届を出した後、赤ちゃんが入れ替わったとしても、DNA鑑定でもしない限りはホンモノの子どもであるという証明はできない。戦争や災害で親や親戚や知人が皆亡くなってしまった場合など、自分が日本人であるのかさえ分からなくなる。あくまで「Peer-to-Peer」からの比喩に過ぎないが、多くの「事実」というのは、それに関与している者たちの共同の幻想に過ぎないのかもしれない。

 ということで、この話題についての備忘録・感想はこれで終了。ブロックチェーン技術についてはそのうち、別に取り上げたいと思っているが、うーむ、それを学ぶことで知的好奇心は満たせるかもしれないものの、私自身の残りの人生にはあまり役立たない可能性あり。