じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月11日の夕刻、南東の空に短時間、虹が出現した。写真上は、妻が外出中に撮った写真。写真下は妻が帰宅後にその話を聞いて私が慌てて撮った写真。妻が撮影したのは18時51分頃。いっぽう私が撮ったのは18時57分頃であり、この日の日没時刻の直前であった。
 日没直前の虹は2017年2月5日に目撃したことがあり、この時は虹全体が赤っぽく見えたが、今回は私の撮った写真のほうは白っぽく見えていた。


2021年8月13日(金)



【連載】さっぱり分からん暗号資産(4)ビットコインの歴史(3)

 昨日に続いて、7月19日の22時〜22時30分に、NHK総合で放送された、

21世紀の複雑社会を超定義「暗号資産(仮想通貨)を超定義の巻」

という番組の感想と備忘録。

 昨日に続いて、ビットコインの歴史の話題。
  1. 2011年4月16日、TIME誌がビットコインの可能性を事細かに紹介した。

    Brito, J. (2011). Online Cash Bitcoin Could Challenge Governments, Banks.

    これにより、ビットコインの価格は約350円から3500円に急騰した。
     この価格急騰の数日後、サトシ・ナカモトは「I've moved on to other things. (これからは他のことをするよ)」という短いメッセージを残して、これを最後に姿を消した。なお、サトシの口座には約4超円分のビットコイン(2021年6月末時点換算)がずっと手つかずのまま残されている。
  2. サトシが姿を消したあと、アルゼンチン出身のIT起業家、ウェンセス・カサレスがビットコインの可能性を宣伝。
  3. FBIは2012年4月24日の内部資料で、ビットコインの匿名性が資金洗浄などの犯罪の温床になるのでは、と指摘された。
  4. 2013年3月、キプロスで金融危機が勃発。EUはキプロスに100億ユーロを支援する代わりに、キプロス国民の貯金に9.9%の税金をかけると提言。キプロス政府がこれを受け入れたため、多くのキプロス国民がビットコインを購入。これによりビットコインの価格は93倍の11万円に跳ね上がる。
  5. 2013年12月4日、NHKの「ニュースウォッチ9」で「広がる仮想通貨 ビットコイン」という話題が取り上げられる。
  6. 2013年12月5日、中国政府が金融機関に対してビットコインを使った決済の中止を要求。これによりビットコインの価格は、一時、最高値の1/3に急落。
  7. 2015年12月、EUはビットコインの売買に消費税をかけないという判断を下し、価格が上昇。
  8. 2017年1月、中国が大手ビットコイン取引所の検査に着手。価格は下落。
  9. 2017年9月、金融庁が日本の暗号資産の取引所に安全基準を認定。これにより「ビットコイン投資に政府のお墨付きが出た」と受け取られ、1BTCは約50万円に上昇。
  10. 2018年1月26日、過去最大のハッキング事件が発生し、580億円相当がわずか5分で盗まれた。(コインチェック事件)。但しこの流出は、暗号資産システム自体の問題ではなく、取引所の管理方法の問題であった。
  11. 2018年の流行語大賞には「仮想通貨」がノミネート。「送り人」にひっかけた「億り人」という言葉も生まれた。
  12. 2021年6月、エルサルバドルの大統領がビットコインを国の法定通貨にしたい考えを示した。
  13. 現在、ビットコインは次のような大問題をかかえている。
    • 取引の大渋滞:平均10分で送金できることがウリであったが、承認待ちの取引が長蛇の列となっている。その対策として、ビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュ、ビットコインシルバー、ビットコインシルバー、ビットコインダイヤモンドが誕生している。
    • マイニングによる環境破壊:現在のマイニングは個人では太刀打ちできないほど難易度が上がっており、専用のマイニングファームが設置されて、中には1秒間に24兆回の計算が可能なマシンも登場。これにより、コンピュータ稼働による年間消費電力量は、2021年5月時点で143TWh(テラワット時)と推定されており、ノルウェー一国の電力量143TWhを超えている。
  14. ビットコインの価格は今年4月に約700万円の最高値をつけたあと、大幅に下落。なお、2021年8月13日朝の時点では 最高値5,109,177 円、最安値4,817,585 円 となっているようだ。

 最近ではビットコイン以外の仮想通貨も利用されており、こちらの記事では、
暗号資産(仮想通貨)交換所大手のコインベース・グローバルが10日に発表した第2・四半期決算は、利益が市場予想を上回った。取引高が前期比38%近く増加したことが寄与した。ただ、第3・四半期は取引高が減少すると予想している。
第2・四半期の取引高は4620億ドルで、第1・四半期の3350億ドルから増加した。仮想通貨ビットコインの取引が全体に占める割合は24%で、第1・四半期の39%から減少した。
というように、ビットコインの占める割合は全体の1/4以下に低下していることが分かる。

 ここからは私の感想になるが、暗号資産の管理に必要な電力はもはや看過できない莫大な量に達している。おそらくESGやSFGsの問題とも絡んでくるはずだ。そのいっぽう、ブロックチェーンをSDGsに活用するという提案もあるようだが、私にはなぜブロックチェーンなのかということがまだ理解できていない。
 ま、いずれにせよ、お金というのは人間社会の生産活動や互助互酬を基盤にして成り立つものであって、決して、取引操作だけで勝手に殖えるようなものではない。暗号資産で大儲けする人が居たということは、そのぶん、誰かが大損することになる。そのしわ寄せは、おそらく、貧困格差の底辺にいる人々に及んでくるのであろう。


 次回に続く。