じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



06月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る


 昨日の日記で学生の登校や課外活動の制限が一部解除されたと記したが、これに伴い、生協食堂前で何らかの勧誘活動が行われるようになった。
 今回目撃したのは、男性1名(たぶんリーダー)と女性2名のグループであり、アンケートボードを携えて、出入口付近や、自転車を駐めようとしている学生に話しかけていた。
 この種の勧誘は、カルト宗教団体がしばしば行っているが、何らかの悪徳商法の可能性もある。しばらく観察を続け、必要があれば当局に伝える予定。

2021年6月24日(木)



【小さな話題】『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』とタイムトラベル その1

 6月22日にNHK-BSPで放送された表記の映画についての備忘録と感想。

 2013年のイギリスのSF恋愛映画で、主人公は過去にタイムトラベルができる能力を持ち、何か都合が悪いことが起こった時にはその原因となる過去の出来事を修正してよりより「いま」を実現するというような話。
 「SF恋愛映画」とされていたが、父子関係も重要、というか、父子関係を描くために、恋愛、結婚、子育てのエピソードが挿入されていたという感じもする。
 主人公を演じたドーナル・グリーソン(Domhnall Gleeson)は、ハリポタにも出演していたと言う。ということで、ロン・ウィーズリー役かと思い込んでしまったが、どう見ても風貌が違うし、年齢が合わない。改めて調べたら、ロン・ウィーズリーではなくビル・ウィーズリー役だった。

 ネットで検索したところ、この映画については、「一生宝物にしたい」、「絶対おすすめ」、「生涯で最高の映画」といった高評価があるいっぽう、「馬鹿カップルの話」、「矛盾がある」といった批判的な評価もあり、受け止め方が分かれているようであった。

 批判的な評価の中には、タイムトラベルの矛盾、特に、子どもが生まれることとの関係について疑問があったが、私は、割合と素直に理解できた。要するに、主人公の能力というのは、時間軸上のある時点をaとした時、それよりtという時間だけ過去に戻り、t+uという時間だけ過去の自分に入れ替わって都合の悪い事象を変えてしまう。そのあと再びaという時点に戻った時は、人間関係や仕事上の展開が変わっているというようなもの。
 子どもが生まれたとしても、それ以前の過去にタイムトラベルができなくなるわけではないが、過去の出来事を変更する際にほんのわずかだが、受精のタイミングが変わってしまう。異なる精子と受精すれば別の子どもが生まれてしまうので、aという時点での家族の絆を守るためには、子どもが生まれた時点より過去にトラベルすることは大きなリスクが伴う。なので、父親の死後に生まれた子どもとの関係を壊さないためには、それより以前の、父親が生きていた時点の過去に戻るのは控える必要が出てくる。
 「クローゼットの中や暗闇でコブシを握りしめて過去にトラベルする」という行為自体も1つの出来事であるからして、しばらく経ってからでも、その時点に戻ってその行為を取りやめれば、その後に起こる変化はキャンセルできるはず。なので、ポージーが男の子に入れ替わってしまったという出来事も、その原因となった過去へのトラベルを取りやめれば、自動的にキャンセルされるはずだ。

 父子関係を描いた映画というのは大概は「対立と仲直り」が多いのだが、この映画のように長期間にわたって良好な関係を維持できているというのは珍しいように思う。そのいっぽう、男女関係については、この映画を観ていると、イギリスの若者たちというのは、まず、いろいろな相手とセックスして、その中で最高の快感を得られた相手と同棲し、そのうち気が向いた時に結婚し、さらに気が向いたら出産、子育てに入る、というように、なんだか、セックスが先にあって、そのあとから恋愛感情が形成されるような印象を受けてしまう。私のような昔人間から見れば、やはり理想は、冬ソナのような、精神的な恋愛のほうが価値が高いように思える。

 あと、今回の「過去にしか行かれない」という設定と、「過去にも未来にも行かれる」というタイムトラベルでは、いっけん、前者のほうが遙かに窮屈であるように思ってしまうが、実際には殆ど同じ能力であり、自分のリアルな生活を時間軸上のどこに置くかの違いに過ぎないように思われる。例えば、このタイムトラベル能力を使ってギャンブルで大儲けしようと企んだとする。
  • 過去にしかトラベルできない場合は、今の時点で当選番号が判明している宝くじや勝ち馬の馬券を過去にさかのぼって購入すればよい。
  • 過去だけでなく未来にトラベルできる人は、未来に行ってその時点で当選番号や勝ち馬の情報を手に入れ、今の時点でそれらを購入すればよい。
ということであり、どちらも変わらない。
 また、タイムトラベルは偶発的な事象を利用することはできるが、それ自体は、自分の能力や魅力を変える力を持てない。なので、どんなに努力しても達成できないことは、タイムトラベルをしてもできないことに変わりはない。