じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る


 「接写で楽しむ雑草の花」。今回はカラスノエンドウ。「カラスの豌豆」ではなく「カラス+野豌豆」。接写した花は美しいが、迷惑雑草のチャンピオンで、花壇のどこかに1株でも生えていると翌年には至る所から芽を出して手に負えなくなる。

2021年3月28日(日)



【連載】あてにならない未来予測(5)

 昨日に続いて、

●週刊現代BACKS 日本の十年後一イラストで見るあなたの豊かな「あした」(講談社)

という本をネタにした未来予測の検証。昨日の日記に「最終回」と書いたが、政治、経済関係の予測については一度も取り上げてこなかったので、もう1回分追加。

 3月24日の日記に記したように、1984年と言えば、1986年から1991年のバブル景気や、1991年のソ連崩壊より前であり、こうした大きな変化は全く予想されていなかった。政治・経済面での予測をいくつか列挙すると、
  1. 日本を襲う“自由化の波”
  2. 固定相場制への復帰と新IMF
  3. “世界連邦”へ一歩踏み出す
  4. “パックス・パシフィカ”時代始動
  5. 氷河期に入る地球の温暖減少
  6. 変貌するソ連社会と社会主義体制
  7. “ルック・イースト”とアジアの世紀
などがあった。
 このうち1.に関しては、今の日本はむしろ自由化に強い経済基盤ができあがっており、TPPに積極的に関与するようになった。
 2.の「固定相場制への復帰」という話はその後も出ていない。
 5.の「氷河期に入る地球の温暖減少」については、これまでのところその兆候は見られない。それよりも、地球温暖化に伴う気候変動、異常気象のほうが遙かに大きな問題となっている。
 6.のソ連については、1985年当時から中央集権的管理システムの弊害が指摘されていたが、ソ連崩壊がこんなに早くやって来ることまでは予想されていなかった。
 最後の7.については、アジア地域のGDPがそれ以外の地域のGDP合計を追い抜く規模になったという点では予想通りであったが、そのなかで日本が主導的役割を果たしているとは言い難い。この本全般に言えることでもあるが、1984年当時は、中国がここまで経済発展し、強大な影響力を及ぼすようになるとは予想されていなかった。

 以上、いろいろ見てきたが、「あてにならない未来予測」とは言っても、もちろん、すべての予測が外れたわけではない。科学技術面では、予想通り、あるいは予想を超えて進歩した面もあった。

 それにしても、世の中、ますます便利になったのかどうか、よく分からないところがある。昨日、近隣のセルフスタンドでガソリンを入れた時にも思ったが、以前なら、キーフォルダー型の決済カードをかざすだけで簡単に給油ができた。しかし、レシートの割引クーポンを使おうとしたり、スマホ画面のQRコードをかざしたり、といった複数の割引の適用を受けようとすると、途中でエラーが出てやり直しになったりして、とにかく時間がかかる。また、外食時にも、GOTOイートやら、ぐるなびポイントを使えば相当安く食べられる店があるが、私には到底使いこなすことができない。
 現時点で十年後と言えば2031年頃となるが、果たして世の中はどうなっているだろうか。ネットで検索したところ、こちらに2150年までの未来年表というのが公開されていたが、先の予測になればなるほど、夢物語や大災害が多く語られているようである。なお、同じサイトにはあなたの未来年表というのもあり、私の場合で197歳までの予測リストが示されているが、もちろんそんなに長生きできるはずがない。現実的なのは89歳の頃に「日本の65歳以上人口(高齢者)が3935万人でピークに達する(以後、総人口が毎年約100万人減少)」という予測であり、そうなると、年金面でも医療費の面でも色々と、生きづらくなるように思われる。