じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 11月17日の夕刻、細い月が旧・京山タワーの左側(南側)に沈む様子を眺めることができた。天文年鑑によれば、11月18日の20時33分に月の赤緯は最南となる。

2020年11月17日(火)



【連載】「新型コロナ感染7段階モデル」で第3波に備える(1)

 ファイザーに続きモデルナが開発中の新型コロナワクチンでも高い有効性が示され、実用化に向けた最終段階に入ったことで、日米の株価が上がっているという。しかし、そのいっぽうで、11月17日に日本国内で確認された感染者数は1699人、死者は14人となっている。この一週間のあいだに、いくつかの県では過去最多を記録しており、どうやら「第3波」の到来が鮮明になってきたようだ。

 NHKオンラインの記事【11月17日19時32分配信】によれば、今回の「第3波」の特徴は、
  1. 重症化リスクの高い高齢者の割合が増える傾向あり:東京都では、60歳代以上の割合は、7月の第2波では8.2%であったが、今回は17.1%。大阪では、7月が9.5%であったのに対して25.8%。
  2. クラスターが多様化:第2波のクラスターは、大都市圏の接待を伴う飲食店や、職場での会議などが多かったが、「第3波」では、会食や職場に加えて、地方の歓楽街や外国人のコミュニティー、それに医療機関や福祉施設などに多様化し、地域への広がりも見られる。
 私の住む岡山でも今回の第3波の影響は顕著であり、岡山市内だけでも2ケタの数の感染者が確認される日も出てきた。

 11月12日の日記に記したように、冬場は気温、湿度、日照時間不足などにより、ウイルスへの感染リスクが高まると言われている。これまでどうにかこうにか切り抜けてきた私も、今回はかなり危なくなってきた。

 さて、この夏にこの日記でも紹介させていただいた高橋泰先生【連載リスト参照】は今回の「第3波」をどうとらえておられるのだろうかと思ってネットで検索したところ、11月12日配信の関連記事がこちらに掲載されていた。

 高橋泰先生の「新型コロナ感染7段階モデル」によれば、インフルエンザウイルスに比べると、新型コロナは感染しても無症状の人も多く、抗体もできない人がほとんどであり、周りの人にうつす可能性も低い。しかし、
(1)すでにある免疫(自然免疫、細胞性免疫、微量抗体など)で新型コロナを処理しきれなかったケースで、かつ、(2)血管が非常に傷んでいる人で、(3)サイトカインストームという現象が発生するという、3つの条件がすべて重なった場合、死に至る可能性がある。
とされている。これまでのところ、この7段階モデルは、日本国内における感染状況の特徴をうまく説明できているように思われる。

 記事によれば、その後のGoToキャンペーンの影響も、これまでのところは7段階モデルでうまく説明できているようだ。新型コロナは暴露力が強いが、特定地域で陽性確認者が急増したことはあっても、比較的短期間で収束しており、医療崩壊には至っていない。

 ということで、これまでのところ、7段階モデルは日本の現状に適合しているように思われるが、リンク先の3頁目では、高齢者の重症化に関して、Version2へ部分的改修が行われているとのことであった。従来のモデルでは重症化はサイトカイン暴走による血栓が主要な原因であるとされていたが、改訂版モデルでは、血栓のみならず血管の傷みが新たに加えられていた。血管は、ヘビースモーカー、糖尿病、高血圧、抗がん剤治療後などに傷みやすく、この傷んだ状態でサイトカインストームが発生すると重症化し、死に至りやすくなるという。高齢者だから重症化しやすいというよりは、高齢者の中に、血管がひどく傷んでいる人が多いということが、結果として高齢者の重症化率、死亡率を高めていると考えてもよさそうである。

 不定期ながら次回に続く。