じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記でカナムグラがヤブガラシを圧倒している写真を掲載したが、一部の例外はあるものの、やはり全体としてはヤブガラシのほうが優占状態にあるようだ。
 写真は、枝や落葉の集積所の小山にヤブガラシが密集しているところ。なおヤブガラシは「他家受粉でしか結実出来ないため、種は少ない」という。そう言えば、ヘクソカズラ、ノブドウ、アオツヅラフジなどが種をいっぱいつけるのに対して、ヤブガラシの種というのは見たことがない。

2020年10月11日(日)



【小さな話題】ディープフェイク の可能性

 10月12日のモーサテで、ディープフェイクの話題を取り上げていた。

 ウィキペディアのリンク先にも記されているように、ディープフェイクとは
ディープフェイク(deepfake)は「深層学習(deep learning)」と「偽物(fake)」を組み合わせた混成語(かばん語)で、人工知能にもとづく人物画像合成の技術を指す。「敵対的生成ネットワーク(GANs)」と呼ばれる機械学習技術を使用して、既存の画像と映像を、元となる画像または映像に重ね合わせて(スーパーインポーズ)、結合することで生成される。 既存と元の映像を結合することにより、実際には起こっていない出来事で行動している1人あるいは複数人の偽の映像が生み出されることとなる。

 ディープフェイク自体は1つの技術であり、悪用される場合もあれば、役に立つ場合もあるように思われる。

 番組でも取り上げられていたが、悪用例としては、大統領選挙などで、対立候補者が失言や暴言を吐いているような偽動画を作って公開し、支持者が反感をかうように仕向ける謀略であり、今回の大統領選挙の終盤でもネット上で次々と流される恐れがあるという。

 このほか、リンク先にもあるように、人気女優の顔とポルノ動画を合成し、その女優があたかもポルノに出演しているように見せるディープフェイクポルノというのがあるという。日本でも、10日ほど前に、
警視庁と千葉県警察本部は10月2日、AIを使ってポルノ動画に写った人物の顔を芸能人の顔にすり替えた“ディープフェイクポルノ動画”を公開したとして、男性2人を名誉毀損(きそん)と著作権法違反の疑いで逮捕したと発表した。ディープフェイクによるポルノ動画を巡る逮捕は初という。【出典はこちら

 ディープフェイクの技術は画像ばかりでなく、音声にも適用できるという。このことは、振り込め詐欺などに悪用される恐れがあるという。

 もちろん、偽画像には、目の動きなどに何かしら不自然さが残る。それを見破る技術も開発されているが、見破る技術が進歩すれば、見破られない技術もまた同程度以上に進歩する。結局はイタチごっこになる恐れがある。

 ということで、何だか、ディープフェイクが犯罪の道具のような印象を与えているが、そのいっぽう、いろいろな活用の仕方があるようにも思われる。

 例えば、いま私自身も4学期開講に向けてオンライン授業の準備に苦労しているところであるが、私自身の顔などは全く魅力が無いし、声も聞き取りにくい。いっそのこと、それぞれの受講生が好みの顔や声を選んで、その仮想教師に喋らせれば、学習意欲が高まるかもしれない。

 自分の尊敬する人や片思いの相手から、ディープフェイクで優しい言葉や励ましの言葉をかけてもらうことができれば、挫折から立ち直ることができるかもしれない。

 配偶者に先立たれたような場合、デジタルツインの技術と、ディープフェイクによる画像と音声の技術をリンクさせれば、あたかも、黄泉の国に住む配偶者と日々テレビ電話で会話を交わすことができるようになるかもしれない。

 もっとも、ディープフェイクは、フェイクという名前の通り、しょせんはニセモノであり、まやかしに過ぎない。

 じっさい、上記の「片思いの相手から優しい言葉をかけてもらう」というのも何だか虚しい。そんな慰めに頼るよりは、現実の世界で、自分を選んでくれるような別の相手を探したほうがいいに決まっている。
 また「黄泉の国に住む配偶者との会話」というのも、ある意味では配偶者の死を受け入れない状態を続けることになる。それでもよいのか、それとも、ちゃんと死を受け入れた上で、独りだけの余生に前向きに取り組んだほうがよいのか、分からないところがある。