じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡大構内の一角に、剪定した木々の枝や刈り取った草を集積する場所があるが、今年はカナムグラに一面覆われている。私の記憶では、昨年まではヤブガラシが優勢であり、一部、マメアサガオの蔓が伸びていた。カナムグラよりヤブガラシのほうが強いと思っていたが意外な結果となった。

2020年10月10日(土)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「和菓子の #あんこ」、「歌うとストレス解消」、「#カシューナッツ や #コーラ の原料」、「#布の切れ端」

 10月9日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。

 この回は、
  1. なんで和菓子といえばあんこなの?
  2. なんで歌うとストレス解消になるの?
  3. 働き方改革のコーナー「これなんのモトでSHOW」
  4. なんで服を買うと布の切れ端が付いてくるの?
という4つの話題が取り上げられた。

 まず1.であるが、そう言えば、大福餅、大判焼(今川焼き)、鯛焼き、どら焼き、餡蜜、アンパンといったあんこ入りのお菓子類は外国では見かけない。中国にはあんこの入った月餅や饅頭があるが、あんこの作り方が違っていて私はあまり好みではない。

 番組によると、「あん」はもともと詰め物の意であり、餅の中の肉餡を指していたが、日本では仏教の影響で肉食が禁じられていて、代わりに小豆を用いた小豆餡が開発されたという。砂糖の無かったは鎌倉時代は塩味であったが、その後、ポルトガルから砂糖が輸入されたり、サトウキビによる砂糖の国内生産が可能になり、甘い餡が用いられるようになった。

 ちなみに、こちらの情報によれば、小豆を自国の食用として伝統的に栽培しているのは、日本、中国、韓国、台湾、ブータン、ベトナムといった、主に極東アジアに限られている。但し、日本への輸出向けに、アメリカ、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン等でも栽培されているという。あんこというと小豆が原料と思われがちであるが、リンク先にあるように、小豆(大納言、白小豆を含む)のほか、手亡、大福、金時、うずら、ささげ、青えんどう等がある。いずれにせよ、餡のように甘く味付けするのは日本独特で、他の国や地域では、スープや煮込み料理の食材として使用されるのが普通であるという。

 番組では「お肉が食べられなかったから」と説明されていたが、こうしてみると、単にお肉が食べられなかったというだけでは、甘いあんこが日本だけで広まった理由としては不十分であるように思われる。そう言えば、チコちゃんであんパンの話題はまだ取り上げられていなかっただろうか。




 次の2.の「なんで歌うとストレス解消になるの?」は、「人とは歌うと幸せになる生き物だから」と説明されたが、これは、この番組で時たま登場する胡散臭い「説明」の部類であるように思われた。
 番組ではまず、唾液の分泌量によりストレスが解消したかを見分けるという方法が紹介された。歌っている時は副交感神経が優位になるがこれはリラックス状態を示す。いっぽう、緊張状態では交感神経が優位となり、唾液が少なくなる。この先生の以前の研究によれば、唾液量と、ストレスを表すコルチゾールのあいだには負の相関がある(歌唱後にはコルチゾールは減少し、唾液量は増える)ことが分かったという。

 上記のところまでは実証的な研究の成果と言える。但し、時系列的に見ると「緊張状態=ストレス」とは必ずしも言えない場合がある。例えば、ジェットコースターなどの絶叫マシンは、乗っている時は一定のストレス状態になるが、乗った後は逆にリラックス状態となる。また、人前で話す時も、その直前には緊張するかもしれないが、話し終えて喝采を浴びた時は逆にリラックス状態になるはずだ。

 それはそれとして、以上までのところは、「歌うとストレス解消になるのはホント?」というレベルの説明であって、「なんで歌うとストレス解消になるの?」という説明にはなっていない。

 この「なんで」については、顔の表情筋が関係していると説明された。歌っている時は笑顔となり表情筋がよく動くが、その「表情筋がスイッチとなり、人間の潜在的にある、歌って喜びを表現してきた記憶がよみがえり、リラックスしているのだと考えられる。」という部分については甚だ疑わしい。そもそも、狩りの成功や穀物の収穫を喜んで歌っていた古代人の記憶が何世代もあとの現代人の「潜在的な記憶」として引き継がれるかどうかは疑わしいし、悲しい歌や、厳粛な気持ちで国歌を斉唱する時など、必ずしも笑顔にならずに歌う場合もある。

 ま、「歌うとストレス解消になる」という事実関係の部分に限って言えばおそらくその通りだと思うが、その原因としては、「それが歌われていた時代の自分を重ね合わせて懐かしくなる」など、「メロディー自体がもたらすリラックス効果」など、多様な原因が考えられる。古代人の記憶がよみがえるという説は、かなり怪しい。




 3.の「これなんのモトでSHOW」では、その1つとしてカシューナッツが取り上げられていた。カシューナッツの生の果実は、以前、レンソイスで実際に食べたことがあるが、なかなか美味であった。

 番組では、コーラの名前の由来となったコーラの実も取り上げられていた。なおウィキペディアには、
コーラ(Cola)という名称は当初コーラの実 (kola nuts) から抽出した、ほろ苦い味のコーラ・エキスを用いていたことに由来している。しかし、現在ではコーラの実は含まれていないのが一般的であり、コーラの実の代わりに様々な香料や調味料が用いられている。 ....【中略】.....
なお、ザ コカ・コーラ カンパニー(コカ・コーラ社)のコカ・コーラ調味法が秘密になっていることは有名であるが、これはコカ・コーラ社が作った伝説である。実際には発明者であるペンバートン博士が複数の相手に対してレシピを販売している。従って、初期のコカ・コーラの作成方法は秘密とは言えない。現在のコカ・コーラのレシピは公開されてはいないものの、成分分析は容易である。他の多くのコーラも同様に成分分析は容易である。 現在は用いられていないが、初期のコカ・コーラにはコカが含まれていた
といった興味深い記述があった。




 最後の4.の「布の切れ端」が補修用であることは素朴に推察できるが、かけつぎ(かけはぎ)という技術で、あそこまで綺麗に補修ができるということは知らなかった。

 余談だが、私が子どもの頃には、商店街の中で「かけつぎ」という看板を見たような記憶がある。他にも、鋳掛屋があったり、リヤカーを引いて鋳物やガラス瓶などを買取に来る業者もあった。あのころは物を大切に使っていたし、それなりにリサイクルがうまくできていたように思う。