じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 8月20日の岡山は、最低気温26.2℃、最高気温36.7℃で、11日連続の「熱帯夜&猛暑日」となった。岡山の特徴は日没後も暑さが続くところにあり、この日の20時の気温は、京都府京都市に次いで全国2位の暑さとなった。
 なお、全国気温Top10では、朝は東日本、夕刻は西日本の地名が多く含まれることが多い。理由の1つは、西日本のほうが日の出日の入り時刻が遅いことによる。このほか岡山では瀬戸内海の影響で日没後の気温が下がりにくいという特徴もある。

2020年8月20日(木)



【小さな話題】藤井聡太棋聖の王位獲得、八段昇段

 各種報道によれば、将棋の藤井聡太棋聖が、八大タイトルの1つ「王位戦」の七番勝負に4連勝し、18歳1か月で棋聖と王位の「二冠」になり、同時に八段に昇段した。いずれも史上最年少で、「二冠」は28年ぶり、「八段」は62年ぶりの記録更新になった。

 この王位戦第4局は、16時過ぎから投了となった17時までabemaの中継で観戦していたが、16時時点ではすでに藤井棋聖のほうが優勢となっていて、どの手が勝ちを決定づけたのかはよく分からなかった。ネット上の情報によれば、封じ手の「△同飛車大学」、木村王位の▲同金に続く△3三角あたりが好手であったようだ。本譜は、80手目の「△7七角」で投了となったが、コンピュータが推奨していた最善手は「6七桂」であった。一瞬、藤井棋聖のミスかと思われたが、必至の展開は「△7七角」でも変わらず、しかも木村王位側からは詰めの攻め筋が無かったため、手数は長くかかるものの逆転は不可能であり、投了やむなしという結果になったようである。

 6月25日7月17日にも書いたが、藤井将棋の魅力は史上最年少という相対比較ではなく、あくまで盤上の物語にある。この第4局では、角の使い方の鮮やかさに魅力があった。

 それにしても、史上最年長でやっとのことで初タイトルを手に入れた木村王位は、お気の毒である。相対比較ということから言えば、木村王位の「最年長初タイトル獲得」は、藤井棋聖の各種「史上最年少」記録と同じくらいに価値があった。しかし、こともあろうに、初めてのタイトル防衛戦の相手が、藤井棋聖になってしまったことはまことに運が悪かった。もっとも、こういうふうに言うと木村王位に失礼かもしれないが、木村さんは良いタイミングで王位を獲得した。いずれ藤井棋聖が三冠、四冠、...八冠となってからでは、挑戦者としてタイトルを獲得するのはきわめて困難であっただろう。

 そう言えば、少し前に藤井棋聖にタイトルを奪われた渡辺明二冠は、同時期に行われていた名人戦に勝利し、名人・棋王・王将の三冠となった。名人戦はA級順位戦の勝率トップ棋士が名人に挑戦する規定になっているため、現在B級2組の藤井・新二冠は、最短で昇級しても、来年にB級1組、再来年にA級となってからでないと名人位を獲得することはできない。これまた他の棋士には失礼だが、いましばらくは渡辺名人の時代が続きそうに思える。

 竜王戦のほうは、現在、挑戦者決定三番勝負が行われており、1組優勝の羽生九段と2組2位の丸山九段が対戦している。現時点では丸山九段が1勝となっているが、羽生九段が挑戦者となれば、豊島将之竜王に対戦することができる。羽生九段にはぜひとも100期目のタイトルを獲得してもらいたいところだ。(この竜王戦も、来年には藤井・新二冠が挑戦者となる可能性が高そう。)