じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月14日の夕刻、NHKのダーウィが来た!で、

巨岩のロストワールド(初回放送は2020年6月7日)

の再放送をやっていた。オーストラリアのメルヴィル山地にある巨大な岩が積み重なって出来た不思議な山の紹介。

 成り立ちが同じかどうかは分からないが、写真で見るような巨岩体であれば日本でも眺めることができる。それが万倉の大岩郷であるが、殆ど宣伝されておらず、クチコミも私の投稿した1件のみというのは意外。ま、そっとしておいたほうが自然保護上は良いかも。

2020年8月14日(金)



【連載】新型コロナの感染の広がり方とPCR検査の問題(3)「すでに日本人の30%が暴露している」との仮定

 昨日に続いて、

高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える 暴露と感染の広がり方、PCR検査の問題を解説

の話題。

 リンク先の3頁目では、

●すでに日本人の30%が暴露しているとしているが、この数字はどうやって出したのか?

という疑問が挙げられていた。同様の疑問あるいは批判はネット上でも何度か見かけたことがある。それらはおおむね、
  • 数値が大きすぎるのではないか?
  • 数値に根拠が無い。
という2点に集約されるように思えた。いっぽう高橋泰教授の回答は、
シミュレーションは暴露率をいくつか設定して現実の死者数に当てはまりのよい数字を見つけた。そこからさらに全員が暴露した場合の重症者数と死亡者数の予測を行った。
というものであり、そもそもモデルを現実にあてはめる上で想定されている数値なのだから、これで良いと思う。

 実際のところ「すでに日本人の30%が暴露している」というのは何を意味するのか? 昨日も述べたように、「暴露」の定義はイマイチよく分からないところがあるのだが、要するに、感染7段階モデルのうちの、
  1. 第1ステージ:暴露したが感染には至っていない。この段階ではPCR、抗体検査いずれも陰性。
  2. 第2ステージ:暴露して感染したが上気道部での自然免疫が対応し、ほぼ無症状、もしくは風邪のような症状で終わる。この段階ではPCRは一時陽性となるが抗体はできない。
という人が圧倒的多数を占めていることになる。

 暴露率は、今後の重症者数、死亡者数を予測する上で重要である。リンク先で指摘されているように、もし暴露率が国民の1/30であったとすると、今後の暴露拡大により2万9000人もの人たちが死亡すると予測される。実際の重症者数や死亡者数から逆算すると、やはり、暴露率は30〜40%とすることがデータにあてはまっているようである。

 なお、シミュレーションの詳細は

●高橋・武藤・加藤(2020).新型コロナの実態予測と今後に向けた提言社会保険旬報, 2788および2787号【上下編全文】

で公開されている。いずれにせよ、このモデルに基づくのか、それともインフルエンザタイプの感染症モデルを採用するのか、によって今後の防止策が大きく変わることは間違いない。

 次回に続く。