じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 写真で綴る岡大20年(5)時計台・図書館の2008年改修
 岡大・中央図書館と時計台(時計塔)は、2008年と2014年の二度にわたり改修されている。このうち2008年の工事では時計台の外装が大幅に造り替えられた。また、黒正巌先生像前にあった防火用の池が埋め立てられた。

2018年2月14日(水)


【思ったこと】
180214(水)ボーム『行動主義を理解する』(85)ルール支配行動と思考(8)

 2月13日の続き。

 前回までのところで引用してきたように、当事者による自問自答、つまり、当事者自身が話し手と聞き手を交互に繰り返し、その際に生み出される言語弁別刺激が思考や問題解決を生み出しているというのが、巨視的行動主義の考え方であると言ってよさそうだ。ちなみに、関係フレーム理論も基本的には同じ考え方をしているが、恣意的に適用可能な派生的関係反応の役割に注目することで、創造的な活動や奇想天外なアイデアがいかに生み出されるのかをより有効に説明できているように思う。

 第8章の終わりのところでは、Skinner(1969)が提唱した「事前経過行動(precurrent behavior)」に言及されていた。これは、「推理する」、「想像する」、「仮定を立てて行動する」などに相当するものであり、続いて起こる行動を先導する役割を果たす。行動主義の立場から言えば、こうした行動もまた言語行動の1つであり、聞き手としての自分自分に一定のルールを提供する。233頁〜234頁ではこの点が以下のようにまとめられていた。
事前経過行動を定義することによって得られる重要な洞察は、問題解決はルール支配行動のようなものであるということである。人々が日々の困難をどのように乗り越え、どのように「創造的に」振る舞っているのかを理解するのに、何か新しい原理を考え出す必要はまったくない。
 以上引用してきたように、巨視的行動主義では、話し手としてルールを生み出す行動、聞き手としてルールに従う行動、その一部でもある事前経過行動の役割が重視されている。ルールに記述されている究極的関係は、HRRR(Health健康、Resource資源、Relation人間関係、Reproduction生殖)に影響し、長期的な視点からみた適応度に影響していると考えられている。

次回に続く。