じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 彼岸花シリーズの最終回は、時計台前の芝地にある紅白の彼岸花。この場所での開花は10年以上前から確認されている。2015年9月15日の日記に関連記事あり。右の写真は2005年9月の様子。


2017年9月27日(水)


【思ったこと】
170927(水)ボーム『行動主義を理解する』(77)言語行動と言葉(14)

 9月26日に続いて、

ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社.

の話題。

 翻訳書200頁からは、文法と構文の話題が取り上げられている。この問題は、Chomskyによるスキナー批判、あるいは関係フレーム理論との関係で大いに議論になるところである。

 本書では、Chomskyの変形文法の考え方、からだの内部のどこかに生得的な規則性が構築されているという発想は心理主義であると批判されている。これに対して行動主義の考えは、構文が部分的あるいは全体的に学習されうるものであるという立場をとっている。

 もし構文がからだの中の装置によって生得的に構築されているとするなら、口語表現で見られるような文法的なエラーはどのようにして起こるのかが説明できない。文法の理論というのは行動の理論ではなく規範である。Chomskyのような心理主義では能力と遂行が区別される。しかし、能力というのは内的な架空の理想であって、体の中に保有されているものではない。スキナーも例示したように、空中に投げられたボールを犬がキャッチする時、犬は物体の落下の法則に従っているがだからといって、その犬の内部に物理学の法則が保有されているわけではない。

次回に続く。