じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 12月13日に降った合計19ミリの雨により、文法経グラウンドには再び「岡大湖」が出現し、半田山を映し出した。紅葉もいよいよ終わりか。

2016年12月14日(水)




【思ったこと】
161214(水)関係反応についての講義メモ(30)長谷川の考え(4)

 昨日の日記で、「関係反応」という呼称について、
「関係」というのはあまりにも広く使われていて、暗黙の前提が含まれており、刺激機能と混同される恐れがあるのではないか
と述べた。とはいえ、「関係反応」にまさる適切な用語はなかなか浮かばない。

 まず考えたのは「比較反応」である。辞書によると、「比較」には
二つ以上のものを互いに比べ合わせて、それらの間の類似点、相違点、一般法則などを考察すること。
といった意味があり「関係反応」と同じような意味を表すことができそうだ。但し、「AとBを比較する」と言った時は多面的に比較することもできる。また、関係反応というのは「AとBを比較した上での反応」というニュアンスがあり、単にこれから比較しましょうという意味とは若干異なるようにも思える。このほか、見本合わせ課題では「見本刺激」と「比較刺激」という呼称が用いられており、見本刺激と比較刺激の関係ではなく、比較刺激どうしの関係ではないかと誤解される恐れもある。

 次に考えたのは「相対的反応」である。同じく辞書によると「相対的」には
物事が他との比較関係において存在しているさま。絶対的に対していう。
というような意味があるが、関係そのものではなく、別のモノと比較した上でのある対象の存在を表すというニュアンスがある。

 ということでいずれも微妙にニュアンスがずれているので、このさい2語をくっつけて「相対比較反応」とするのも一案ではないかと思う。以下、この連載では「関係反応」について語る時、しばらくの間、「関係反応(相対比較反応)」というようにカッコをつけて論じていくことにする。

 ちなみに「相対比較」の対義語は「絶対比較」になる。音を例にとれば、ピアノの鍵盤を2回叩いて、1番目の音と2番目の音のどちらが高いか(あるいは、同じ高さか)というような判断をさせるのは相対比較反応となる。いっぽう、1番目と2番目のどちらがハ長調の「ド」の音か?という判断をさせるような場合を言う。

 さて、次に問題となるのは、「等位」、「比較」のほか、「相違(区別)」、「空間的関係(後ろに/前に、上に/下に)、時間的関係(先に/後に)、因果的関係(もしも〜なら)、階層的関係(「〜のー部」)、「視点の関係」(私/あなた,ここ/あそこ)といった刺激間の関係が、実験手続の中で正確に検証されているかどうかという点である。

 次回に続く。