じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 最近のビジネス書ランキングの動向。長期間にわたりTop5以内にランクインしていた『嫌われる勇気』は9月に入ってからついに姿を消した。『最強の働き方』、『自分を操る超集中力』は引き続き5位以内を維持している。ビジネス書の特徴として「・・力」、「・・方」、「・・術」というタイトルの本が多数を占めている。

2016年10月17日(月)



【思ったこと】
161017(月)2016年版「人はなぜ○○するか?」(7)夢を見る、学ぶ

 昨日の続き。

 今回は5票を集めた疑問の中から、
  1. 人はなぜ夢を見るのか
  2. 人はなぜ学ぶのか(勉強するのか)
という2つを取り上げることにしたい。

 もっとも、1.の「夢を見る」というのは果たして行動なのかどうか、それ自体が疑わしいところもある。もちろん脳の中で何らかの現象が起こっているとは思うが、目が覚めてから夢の内容を語るという行動(=オペラント行動)は、夢を見る行動そのものではない。夢の内容が寝ている時の環境刺激の影響に一対一に対応しているのであれば、例えば、
  • 布団から飛び出して体を冷やしてしまった時は冷たい海を泳いでいる夢
  • 布団の襟が首に当たっているときは首を絞められている夢
  • 寝ている最中に足を踏まれた時は、象に追っかけられて足を踏まれた夢
というように外的刺激が夢の内容に影響を与えているのであればレスポンデント行動に似ていると言えないこともない。このほかにありがちなのは、朝から寝る前までの間に起こった衝撃的な出来事、ひどく恥をかいた出来事、テレビで報じられた事件などに関連した夢を見るというケースであり、これは記憶に関連していると言える。

 いずれにせよ、脳の中での何らかの活動が夢に関連しているとは思うが、夢の内容をコントロールするといった行動分析学的手法は確立していないように思う。

 ということで、夢を見ることに関しては、それが行動であるか否かという問題を含めて、あまりスッキリした回答はできない。




 次の「なぜ学ぶのか」であるが、なかには学ばない人もいるので、この疑問は「学ぶという行動はどのようにして強化されているか」というように疑問の立て方を変えたほうがスッキリすると思う。

 「学ぶ」という行動は新しいスキルや知識の獲得に関する行動であるが、それらが着実に向上すればそれに伴って、
  • 新たな行動リパートリーを身につけることで、新たな結果が伴う。例えば将棋を学べば、将棋による交流がもたらす結果、好手を指せるという結果、勝利しやすくなるという結果、詰め将棋を解けるといった結果が新たに獲得できるようになる。
  • 学校での勉強は、成績の向上によって直接的に強化され、将来的には社会に出てから役立つという形で強化される。但し、「何年、何十年もあとになってから役立つ」という結果は、勉強行動を直接的には強化しない。実際には「いま勉強すれば将来役立つ」というルール支配行動となっている。
といった形で強化されているものと考えられる。

 いっぽう、学んでも結果が伴わない状態が続くと、その行動は消去される。例えば、英会話や数学は、中学・高校時代には成績の向上という結果によって直接的に強化されているが、卒業後に英語を使ったり数学を活用したりする機会から遠ざかってしまうと、せっかく身につけたスキルを失ってしまうばかりか、学ぶという行動自体が消去されてしまう。

次回に続く。