じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



09月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 座主川の岡大西門付近には毎日、アオサギが出勤しているが、9月7日の朝はもっと大型の見慣れない鳥が羽を乾かしていた。ネットで確認したところ、カワウであると分かった。カワウは旭川の中州では見かけたことがあるが、座主川に飛来しているのを目撃したのは今回が初めて。なお自然科学研究科南の「レトロな門」付近でも同じ形の鳥が座主川に浮かんでいるのを見かけた。

2016年09月07日(水)



【思ったこと】
160907(水)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(109)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(45)「般化オペラント」についての復習(28)「般化オペラント」のルーツ(13)

昨日の続き。般化模倣に関しては、マロットらが主張する「模倣性好子(Imitative reinforcers)」についても言及しておく必要がある。

 杉山・島宗・佐藤・マロット・マロット(1998、204〜205頁)は、「模倣性好子(Imitativer einforcers)」、すなわち「模倣によって生じるモデルと自分の行動との一致感」という概念を用いて、般化模倣の説明を試みている。模倣性好子の特徴は
  1. 習得性好子であること
  2. 行動内在的に随伴すること
の2点にある。1.についてはシェイピングと同様、分化強化の原理により、より正確な模倣が強化されやすいこと、それにより般化模倣が成立することが説明可能である。2.については、ひとたび模倣性好子が形成されると確実にそれが随伴することから(=人為的に付加したり、付加を中止することができなくなることから)、反響言語(エコラリア、Echolalia)のような過剰な模倣がなかなか修正できないという現象を説明することができる。

 上記の「一致感」というのはマロットの原書では「Stimuli arising from the match between the behavior of the imitator and the behavior of the model that function as reinforcers」となっている。あくまで徹底的行動主義の文脈で定義されているので、「一致しているという気持ち」ではなく、客観的に一致していること自体、もしくはそれがもたらす特有の感覚刺激を意味していると考えるべきであろう。

 「一致感」という概念を敷延すると、
  • ジグゾーパズルで、はめ込む場所にぴったりのピースが見つかった時
  • 目標と成果の一致感→「達成感」
  • キリ番、特定の数値にピッタリ一致した時
なども「一致感」という好子によって強化されている可能性がある。となると「模倣性好子」は「一致好子」に拡張できるかもしれない。

 また「一致好子」は、
  • くじ引きで当選番号に一致
  • 合格者発表で自分の受験番号が一致
  • 自分の予想が当たった
といった様々な日常体験を通じて(←複数の範例による訓練、multiple-exemplar training)形成されている可能性がある。

 もっとも、日常場面では、不一致を選んだほうが得をするという場合もある。
  • くじ引きで当番を選ぶ場合、当番が嫌な人にとっては、自分の番号と不一致になることのほうが好子となる
  • 見本合わせの実験で、「見本と同じ色を選ぶ」ではなく「見本と異なる色を選ぶ」という課題を遂行できる
  • 行動変動性の訓練では、直近の反応と異なる反応をしたほうが強化される
 こうした行動を説明するためには新たに「不一致好子」という概念が必要になる。しかし、見本合わせで、「同じモノを選ぶ」課題と「違うモノを選ぶ」という課題を連続的に実施して逆転させた場合、「一致好子」と「不一致好子」が競合的に働いて葛藤が生じるのではないかという可能性が出てくる。にも関わらず、速やかに逆転課題に対応できたとすれば、「一致好子」あるいは元の「模倣性好子」に基づく説明は難点があると言わざるを得ない。

 次回に続く。