じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 7月3日の岡山は最高気温が35.3℃まで上がり、今年初の猛暑日となった。その後17時頃には積乱雲が通過し、弱い雨が降った。写真は雨が止んだあとに出現した虹。

2016年07月03日(日)


【思ったこと】
160703(日)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(59)派生的関係反応(31)関係フレームづけ(5)

 6月30日の続き。

 原書84〜85頁(翻訳書117頁)では、関係フレームづけを特徴づける3つの現象のうちの1つ、「複合的相互的内包combinatorially entailed relation 」の意義についてさらに詳しい記述がある。挙げられている例を参考にしながらもう少し詳しく検討してみることにしたい。

 まず、AさんとBさんが対立関係にあり、BさんとCさんが対立関係にあったとする。この場合、AさんとCさんは味方になる可能性が高い。とりわけ、Bさんが強い影響力を持っていて、AさんとCさんの両方に不利益をもたらしている時には、AさんとCさんは同盟を作るかもしれない。

 いっぽう、Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれイスラム教、キリスト教、仏教を信仰していたとする。AさんとBさんの間、BさんとCさんの間にはそれぞれ宗教上の対立があるかもしれないが、そのことをもって、AさんとCさんが協調関係にあるのか、対立関係にあるのかは何とも言えない。

 一般論として、Aさん、Bさん、Cさんが選ぶべき選択肢が2つしか存在せず、かつその選択が排他的・対立的であった場合は、三者のうち二者が2つの選択肢を別々に選んでしまった時には、もう1人は、中立的立場を選ぶか、もしくは、いずれかの側につくか、この2つ以外には選択の道は無い。

 次にAさんとBさんが似ており、BさんとCさんが似ているという場合、似ている度合いがきわめて高ければ、AさんとCさんも似ていると推測することはできる。これは、似ているかどうかの基準が一貫していること、「似ている」と言うときの「似ていない」部分が本質的な影響を及ぼさないことが肝要である。例えば、Aさん、Bさん、CさんのBMIがそれぞれ、24、24.5、25であったとする。これらの値はよく似ているが、Cさんのみは肥満基準(1度)の25以上30未満に該当しているため、「Cさんは肥満である」という質的判断を受けることになる。

 いずれにせよ、6月30日にも引用したように、推移関係が成り立つ事例は限られており、その逆まで成り立つという例はきわめて限られている。但し複合的相互的内包が全く無かったとすると2者関係だけとなり、個々バラバラになってしまう。複合的相互的内包なしには、やはり複雑なネットワークを構築することは困難であろう。

 次回に続く。