じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 夕食後の散歩時、道沿いにイタリア・ドロミーティ(ドロミテ)山塊によく似た風景画が飾られていた。と思って近づいてみると、ブルーシートのシワによる絶妙の造形であることが分かった。

ちなみにブルシートのトップメーカー萩原工業は岡山県に本社がある。1892年、い草を使用した畳表や花筵を扱う萩原商店として創業したとのこと。

2016年04月12日(火)


【思ったこと】
160412(火)「宮澤賢治はなぜ浄土真宗から法華経信仰へ改宗したのか」(4)キリスト教との類似

 昨日の続き。

 こちらのリストから拝聴できる正木先生のお話その5では、日蓮宗がキリスト教に似ているという話題が取り上げられていた。賢治の改宗にこのことが関係しているかどうかは不明であるが、教養を深めるという点では大いに意義があった。
  • 法華経に出てくる久遠の本仏とインドに現れた釈迦との関係は、イエス・キリストの位置づけによく似ていると論じられた。
  • インドではもともと阿弥陀如来の仏像は一体も発見されておらず(但しそのように書かれた台座はある)、西北インドやイランの宗教的動向が大乗仏教の成立に影響を与えた可能性が指摘されているという。
  • また仏教は釈迦以来自力でありのに対して、ひたすら阿弥陀仏におすがりして救済の力を信じる他力信仰、あるいは浄土信仰は、インドより西のほうからの影響を考えざるを得ない。ちなみに、他力本願は、自分だけしか頼りにならない中世(白河上皇が院政を始めた1086年以降を中世とするのが最近の学説らしい)において、徹底的な自力か他力かという二者択一が求められ、後者の選択が他力信仰を浸透させた。
  • 日本の仏教の中で浄土真宗と日蓮宗は祖師信仰が強い。
  • 井上章一氏によれば、浄土真宗(東)は近代化の中で意図的にキリスト教に似せてきた可能性がある。
  • その6の中のお話によると、浄土真宗と日蓮宗は他の宗派に比べると非妥協的で排他的と言われる。このこともキリスト教と似ている。
  • 日蓮宗は江戸の初期からキリスト教に似ていた。大村藩がキリスト教弾圧により改宗した時も日蓮宗となった。

 このほか、戦前の近代化の中では結果としてキリスト教に似たタイプの宗派が生き残った、これは価値観の根本が欧米にあり、戦前の天皇制や国家神道も西洋に似せて創られていった可能性があると指摘された。

 以上は、仏教宗派の特徴を知る上では大いに勉強になったが、うーむ、このことと、宮沢賢治の改宗は殆ど関係がなさそうにも思えた。改宗を決意させたのはやはり「ここが違う」という何かがあるからで、共通性があればあるほど「どちらでも同じ」ということになってしまうはず。但し、まず共通性をおさえた上で、それでもなお譲れない違いがどこにあるのかを明らかにできれば、いっそう理解が深まると言えるかもしれない。

 余談だが、今月はNHKの100分de名著で、歎異抄を取り上げている。とりあえず第1回を視たが、そもそも「歎異抄」が「親鸞滅後に浄土真宗の教団内に湧き上がった異義・異端を嘆いた」という意味であることすら知らなかった。こちらの番組では浄土真宗の特徴がかなり正確に伝えられるものと思う。合わせて参考にさせていただきたいと思う。

次回に続く。