じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 座主川沿いのヤマモミジの落ち葉がつくる赤い絨毯。大徳寺高桐院を思い出させる光景。

2015年12月18日(金)


【思ったこと】
151218(金)理論心理学会公開シンポ(22)心理学の将来の方法論を考える(14)ベイズ的アプローチと心理学(8)

 昨日の続き。

 話題提供では「邪馬臺国は無かった」、「超能力はあるか?」に引き続いて、「ダイエットの効果」が取り上げられた。要点は、
  • 炭水化物と脂肪質の摂取のうちいずれを抑制したほうがダイエットに効果があるのか?という問いに対しては、仮説検定よりも記述統計のほうが常識的見解に近い。
  • 炭水化物を制限した場合に、その程度に応じて○キログラム痩せるかといった細かい議論が必要であり、これにはベイズ統計による予測分布が必要。
  • 体重減少ではなくBMIの減少を関心事とする場合は、BMIの予測分布が必要。このような多様な関数の予測分布を求めるには通常の統計学ではなくMCMC法を用いたベイズ統計が役立つ。
という内容であった。じっさい、単に、「炭水化物制限群は統制群より有意に体重を減らした」よって「炭水化物の制限はダイエットに効果がある」といった仮説検定は実用上役に立たない。これから先に何をすべきかという量的指針を示せるような統計は確かに重要であると思った。

 ではベイズ統計とは結局どういうことなのか。スライド資料では以下のようにまとめられていた。【長谷川のメモに基づく】
  • ベイズ統計は、わからないことの信憑性を確率で評価。「わからないことは、わからない」という立場。
  • ベイズの定理を使って、根拠のはっきりしたデータにより学習し、確率評価の精度を高める。
  • 問題に即したモデルを作り、与えられた意思決定問題に指針を与える。
 じっさい、豊田先生の御著書には、伝統的な「検診問題」や「3囚人問題」のほか、「血液型鑑定問題」、「正選手問題」、「入社試験問題」、「波平釣果問題」「カタログ刷新問題」、...というように興味深い事例が紹介されており、また、小島先生の御著書でも「迷惑メール自動判別」、「検索エンジン予測変換機能」、「機械翻訳」など、新技術の開発への応用例が紹介されており、興味は尽きない。

不定期ながら次回に続く。