じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月17日は恒例の「卒論・修論直前発表会」が行われた。終了後、講義棟と1号館の間の渡り廊下から、西の空に巨大な時計文字盤が光っているのが見えた【写真右】。背中側にある時計台の文字盤がガラスに反射したものであるが、肉眼で見ても、空に浮かんでいるように錯覚してしまう。

 また、帰り際、南福利施設(ピーチユニオン)のイルミネーション越しに月齢6.0の月が見えた。今年は12月25日のクリスマスの日に満月となるため、日々異なる方位・仰角に見える月とイルミネーションとのコラボを楽しむことができる。

 なお、今年の「岡大イルミネーション」と「勝手にライトアップ」の写真が楽天版にあり。

2015年12月17日(木)


【思ったこと】
151217(木)理論心理学会公開シンポ(21)心理学の将来の方法論を考える(13)ベイズ的アプローチと心理学(7)

 昨日の続き。

 繁桝先生の話題提供では続いて、ベイズ統計を適用するとどうなる?という視点から具体的な例がいくつか紹介されたが、時間の関係でよく分からない部分があった。
  1. 邪馬臺国は無かった
  2. 超能力はあるか?
  3. ダイエットの効果
 このうち1.は古田武彦氏の本に関連した話題であり、「邪馬壱国」が真であったとして、陳寿が、魏志倭人伝に4回出現する「邪馬壱国」を「邪馬臺国」というように書き間違える確率を求めよという問題。ちなみに、三国志全体の中では、「壱」という文字は86回、「臺」は58回出ており、それらが誤りである用例の数は0であることが分かっているという。事後確率はかなり小さい値となっていたが、文脈がよく分からなかった。おそらく、どこかの文献で取り上げられているものと思う。

 次に2.では、ウィリアム・ジェームズと霊媒師パーパー夫人の話題、超常現象への態度をめぐるダーウィンとウォレスの論争、キャッテルとウィリアム・ジェームズとの論争、スタンフォード大で行われたESP実験など興味深い事例が取り上げられた。

 このうち、5枚のカードのうちの1枚を当てるという実験では、1000回のうち229の当たりが記録され、統計的には有意に多いという結果になった。しかし、ビデオ記録を参照したところ、実はこのうち46回は間違って当たりと記録されていたことが分かったという。このように「“無意識的”記録ミス」の可能性を考慮した上でベイズ統計で再分析すると、「超能力の存在を強力に主張することには慎重でなければならない」という結論が得られるというようなお話であった。

 不定期ながら次回に続く。