じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 10月27日早朝の金星と木星【写真上】と月の入り【写真下】。金星は前日16時に西方最大離角。また前日17時14分には、金星と木星が1°04′まで接近した。月のほうは26日22時01分に最近(33′19″)、27日21時05分に満月。

2015年10月26日(月)

【思ったこと】
151026(月)秋季安全衛生講習会「スモークフリーの大学を目ざして〜岡山大学の喫煙対策を一緒に考えよう〜」(4)

 産業医と衛生管理者の講演に続いて、グループに分かれて喫煙対策についてのディスカッションが行われた。その中で特に参考になった点を備忘録代わりにメモしておく。

 まず、喫煙者に対する説得内容について。10月20日10月21日に記したようなタバコの有害性は非喫煙者にとっては十分納得できるものであるとしても、喫煙者自身は耳をかさない可能性がある。人は一般に、不快感をもたらす情報、認知的に不協和をもたらすような情報をシャットアウトしてしまう傾向があるからだ。ではどうすればいいか。その1つとして、喫煙者に対して「タバコを吸うとどういういいことがあるのか」を挙げてもらい、その「いいこと」を喫煙以外の方法で達成する方法を一緒に考えていくという方策が提案された。例えば、友人や同僚と一緒に語り合う機会が欲しいということであれば、喫煙なしに談笑できるような場所を提供することが考えられる。予算があれば、お茶などがあると効果的であろう。休憩を兼ねて喫煙するという人のためには、例えば、酸素を吸ったり、癒やし系の音楽が流れる部屋を用意するというのも一案であろう。

 なお、タバコがどういう病気の原因になるのかという情報は、今すぐには喫煙者の耳に届かないかもしれないが、そのような情報がいろいろなルートを通じて繰り返し提供されていれば、病気にかかった時に「やっぱりそうだったか」と気づき、早めに対策をとれるというメリットがあるのではないかという指摘もあった。

 このほか、タバコのポイ捨てがなぜ起こるのかという話題も取り上げられた。ある元喫煙者の方によれば、「タバコの火は地面に落として靴で踏みつけるのが一般的であるが、踏みつけた吸い殻は泥がついていて汚いし、拾い上げるのにエネルギーを使う。」という理由が考えられるという。もっとも、講義棟北側の階段とかベンチ広場などでのポイ捨て状況を見ると、吸い殻は必ずしも汚れていないし、また、少なくとも屋外に出てくる時にはエネルギーを使っている喫煙者が、吸い殻1本を拾い上げるエネルギーを節約しているというのはちょっと考えにくい。ま、行動分析学的に言えば、「タバコに火をつける」という行動はニコチン補給によって強化されているが、「タバコの火を消して吸い殻を拾う」という行動は強化されにくい。よって、「吸い殻を拾う」行動をいかに強化するかが課題、ということになる。仮に吸い殻ゼロにすることを1つの目標とするのであれば、例えば、タバコを1本100円で販売し、回収場所(例えばコンビニ)吸い殻を持参してきた人に対しては1本につき10円をキャッシュバックするというような制度を作れば、街角のポイ捨ては激減するはずである。但し、吸い殻回収を強化することとは、必ずしも禁煙推進、喫煙防止にはつながらないので、本来の目的をそらしてしまう恐れがある。