じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2月24日早朝の備前富士(芥子山)山頂からの日の出。昨日、一昨日は雲の影響で日の出の瞬間を眺めることができなかった。明日以降は日の出の方位が北側(左側)にずれていくため、山腹からの日の出となる見込み。


2015年02月23日(月)



【思ったこと】
150223(月)タバコがやめられない理由(3)認知の歪み(1)

 2月20日の日記で、タバコを止められない理由には、大きく分けて身体的依存と心理的依存があること、心理的依存はさらに、習慣的依存と認知の歪みに分けられることを記した。

 このうち、習慣的依存については、(認知)行動療法、代償行動の強化、行動パターン変更などが有効なセラピーとなるという。

 いっぽう、認知の歪み(狭義の心理的依存)というのは、喫煙者が、自分の喫煙行動を正当化しようとして、都合の良い情報だけを受け入れる一方、喫煙に都合の悪い情報を遮断したり一方的に否定したりすることを言う。こうなってくると、喫煙の有害性についていくら筋道立てて説得を続けても、なかなか受け入れてもらえないようになる。有効な方法としては、認知療法、禁煙セラピー、リセット禁煙法などがあるというが、禁煙を達成するのはなかなか厄介であるようだ。

 川井先生によれば、代表的な認知の歪みとしては以下の3点がある。
  • 健康障害の過小評価
    →「自分だけは肺がんにはならない」、「喫煙で肺がんになるというのはウソだ」
  • タバコの効用の過大評価
    →「タバコはストレス解消に役立つ」
  • 離脱(禁断)症状の課題評価
    →「禁断症状が強くて自分には止められない」
 こうした認知の歪みを作り出す理由としては、防衛機制認知的不協和一貫性の原理など、精神医学や心理学の古典的な理論による説明が挙げられるようである。

 敷地内全面禁煙からまもなく1年が経過する岡大でも、未だに隠れ喫煙をする人、何時間おきかに席を離れて敷地外まで移動して喫煙する人が数十人〜100人前後おられるようである。ニコチン依存がそれほど強くなかった喫煙者、あるいは、セルフコントロールのスキルを身につけている喫煙者の多くは、すでに、(少なくとも勤務時間帯あるいは登校中の)禁煙に踏み切っていることからみて、いま残っている喫煙者たちは、もはや、ポスターやチラシ1枚程度の説得が通じない人たちばかりになっている可能性がある。

 巡視員を増員して、敷地内喫煙を徹底的に取り締まれば、とりあえず喫煙行為は減っていくかもしれないが、それでは根本的な解決にはならない。やはり、ニコチンに依存しなくてもドーパミンが適切に放出され、かつ、ストレスを根本的に解決して精神の安定が保てるような、環境作り、体作りを目ざしていくほかはあるまい。

次回に続く。