じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 津島東キャンパス・南東端の空き地で行われていた工事がほぼ完了。1月12日1月31日の日記で取り上げたように、何が造られているのかは皆目見当がつかなかった。何らかの屋内運動施設? 国旗掲揚塔? スコアボード? トイレ? ゴミ集積場?などいろいろ予想は立ててみたが、まさかこのような施設ができるとは思ってもみなかった。
 なおこの場所は、かつては、残土置き場として利用されたこともあり、その後は、5月下旬にはハルシャギクの群生(写真下)、秋には彼岸花が見られたところでもあった。


2015年02月20日(金)



【思ったこと】
150220(金)タバコがやめられない理由(2)習慣的依存

 昨日取り上げたように、ニコチンには脳の側坐核に作用しドーパミンを放出させる効果がある。この作用にはわずか5〜7秒という即効性があり、喫煙者はこれによって、「喫煙の直後に脳内報酬」を体験する。行動分析学で言えばこれはきわめて強力は行動随伴性ということになるだろう。

 しかし、喫煙行動が強化されているというだけでは、依存症を説明したことにはならない。川井先生によれば、この依存は、3つに大別される。
  • 身体的依存:ニコチン切れによる禁断症状
  • 心理的依存
    • 習慣的依存:喫煙が生活の一部に組み込まれている
    • 認知的症状(狭義の心理的依存):認知の歪み。自分の喫煙行為を合理化、医学的見解を都合のよいように解釈し、不都合な情報を拒否。

 素朴には、ニコチン依存というのは生理学的に説明可能な薬物依存症の一種であると考えてしまいがちであるが、それだけであれば2週間も治療をすればそこから脱却可能であるという。タバコをやめられない真の理由はむしろ、心理的依存に関係している。
 心理的依存はさらに、習慣的依存と狭義の心理的依存(認知の歪み)に分けられるが、今回の講演では、習慣的依存についてはあまり説明が無かった。あくまで私の推測になるが、これはおそらく、「唇が寂しい」、「タバコを指ではさんでいないと落ち着かない」といった身体感覚に伴う習慣性、仕事を始める前や休み時間といった時間を弁別刺激として規則的に生じる行動、さらには、同僚や友人どうしで連れだって喫煙所に足を運ぶ、毎日決まった時間に喫煙所で談笑する、仕事を完成したあとに一服しながら休憩する、散歩時の歩行喫煙、自転車を運転しながらの喫煙、運転中の喫煙、...などが挙げられるのではないかと思われる。

 大学構内に喫煙所を残すべきか、それとも敷地内全面禁煙を実施するべきかという議論があるが、少なくとも喫煙所を設置している限りは、喫煙者の習慣的依存を改善することは困難であろう。ニコチン依存者のために喫煙所を設置するというのは、アルコール依存者のために、大学構内にアルコール飲料の自販機や酒場を設置するのと同様である。

 このほか、非喫煙者にも社会的依存という現象があるという。要するに「喫煙者がイライラしているなら吸わせてあげてもいいじゃないか。」という風潮である。サークルの集合場所などでも、誰かが喫煙していてもそれをとがめようとはしない、職場で喫煙のためにひんぱんに離席する職員があっても容認するといった風潮である。本当に当事者のことを考えるなら禁煙を勧めるべきところだが、せっかくの和やかムードを壊したくないとか、そんなことで関わりたくないといった配慮から、そのまま黙認してしまい、結果的に、習慣的依存を続けさせてしまっているように思う。

次回に続く。