じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 旧暦元旦の日の出。旧暦大晦日に続いて日の出の瞬間を眺めることができた。



2015年02月18日(水)



【思ったこと】
150218(水)オックスフォード白熱教室(25)4以上の任意の偶数は「6n±1」の差で表すことができるか?

 オックスフォード白熱教室の内容からは完全に脱線しているが、

●4以上の偶数は2つの素数の差で表すことができるか?

のバリエーションとして、

●4以上の偶数は「6n±1」の差で表すことができるか?

という問題も考えてみた。周知のように、「5以上の素数はある自然数nを用いて6n+1または6n-1の形になる」ことからの連想である。但し、ここで、「6n+1」または「6n-1」は素数でない奇数であってもよいものとする。

 まず、あらゆる偶数c(いちおうc>4)は
  1. 6の倍数
  2. 6の倍数に2を加えた数
  3. 6の倍数から2を減じた数(6の倍数に4を加えた数)
の3通りである。よって、偶数cは、それぞれ
  1. c=6p
  2. c=6p+2
  3. c=6p-2
と表すことができる。ここで、上記1.から3.におけるpを自然数qとrの差(p=q-r)で表し、さらに変形すると、
  1. c=6p=6(q-r)=(6q+1)-(6r+1) またはc=6p=6(q-r)=(6q-1)-(6r-1)
  2. c=6p+2=6(q-r)+1+1=(6q+1)-(6r-1)
  3. c=6p-2=6(q-r)-1-1=(6q-1)-(6r+1)
となり、cが上記1.〜3.の3通りいずれの偶数であっても、(6q±1)-(6r±1)に変形できるので、もとの問題は証明されたことになる。

 もっとも、ここで(6q±1)や(6r±1)が素数になるという保証は全くない。「4以上の偶数は2つの素数の差で表すことができる」という予想の必要条件の1つが認められたというレベルを示したにすぎない。




 上記では「5以上の素数はある自然数nを用いて6n+1または6n-1の形になる」という性質を取り上げたが、数式の中の6という数が別段特別な意味をもつわけではない。あらゆる自然数は、6で割った時の余りが0〜5になることから、それぞれに対応して、6n、6n+1、6n+2、6n+3、6n+4、6n+5【「6n-1」と同じ】のいずれかになる。しかし、このうち6nは6の倍数、6n+2と6n+4は偶数、6n+3は3の倍数なので、その自然数が素数であるとしたら6n+1または6n-1以外はありえないというだけのことだ。

 あと、念のためお断りしておくが、上記の証明の代わりに、
「6n±1」を満たす任意の奇数をdとすれば、

c=(d+c)-d

となるので、cは、「d+c」と「d」の差で表すことができる
とするのは必ずしも正解ではない。なぜなら、これだけでは「d+c」が「6n±1」であるという保証はないからである。じっさい、例えば、c=10、d=11とすると、c=(d+c)-d=(10+11)-11となるが、d+c=21は「6n±1」型の奇数にはなっていない。




 話題が少し変わるが、こちらには、さまざまな形の素数の一覧があり、その中には
  • 3n+1型の素数→x2 + 3* y2 の形で表すことができる。
  • 4n+1型の素数。→2つの平方数の和に一意に表すことができる. (ピタゴラス素数とも呼ばれる)
  • 4n+3型の素数。【4n-1型と同じ。】
      などが紹介されている。

       じつは、冒頭の

      ●4以上の任意の偶数は「6n±+1」の差で表すことができるか?

      から

      ●任意の偶数は「4n±1」の差で表すことができるか?

      とすることもできるが、これは、

      ●任意の偶数は、2つの奇数の差で表すことができるか?

      という程度の簡単な問題に置き換えられてしまう。
      <
      次回に続く。