じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 後期開始を前に、研究室で保有していたノートパソコン数台のWindowsXPからWindows7へのアップグレード作業を行った。大学所有のパソコンの場合、専用のDVDから起動すれば、無料でアップグレードができることになっており、廃棄するのは勿体ない精神でダメ元で取りかかった。512MB以上のメモリがあればアップグレード自体はうまくできるのだが、問題はそのあとの際限の無い「更新地獄」である。まずは、更新プログラムの確認に数時間、その後、200個以上の更新プログラムのダウンロードとインストールに半日以上かかり、それで完了と思いきや、起動するとまたまた次の更新のメッセージが入ってくる。「自動更新無限ループ」とは異なり、毎回新しい更新内容になっているようだが、これではいつまで経っても使い始めることができない。

 なお、この無料のアップグレードは、学内LANで定期的に自動認証を受ける仕組みになっており、学外に持ち出して一定期間が経過すると画面が真っ黒に変わる。


2014年9月27日(土)

【思ったこと】
140927(土)日本心理学会第78回大会(18)ACTとマインドフルネス(13)指定討論(5)第三世代の行動療法

 昨日の続き。

 指定討論ではもう1つ、「第三世代」に関する話題が取り上げられた。孫引きになるが、この呼称は、ACTの創始者でもあるHayesの2002年や2004年の著作の中で定義されており、「実証的な原理中心のアプローチを基盤に心理的現象の形態だけでなく、文脈と機能に対して特に敏感」であり、「直接的で説得的な技法に加え、文脈的で体験的な変化の方略を強調する」というように特徴づけられているとのことであった。このことに関して、第二世代の「セルフモニタリング」や「エクスポージャー」の言葉を「マインドフルネス」や「アクセプタンス」に置き換えただけでは意味が無いこと、手続論(ある内的現象を生じさせるための手順)と現象論(手続が丁寧かつ十分に遂行された際に生じる治療的に意味のある状態)をめぐる議論があった。
 また、これまでの認知行動療法、行動療法、応用行動分析に対する、マインドフルネスやアクセプタンスのポジショニングとして、
  • 補完代替療法としてなのか(この場合は、完全に独立しており、異なる理論的枠組みと作用機序と効果が示されなければならない)
  • 拡張療法なのか(この場合は、どういう理論的枠組みを拡張しようとしているのか、その拡張によって何が可能になったのかを明らかにする必要がある)
  • 構成要素なのか(この場合は、何を担っているのか、敢えて新しい言葉で表現する必要性は何かを明示する必要がある)
といった論点が示されていた。【←長谷川のメモと解釈のため不確か】。もっとも、門外漢の私から見れば、認知行動療法、行動療法、応用行動分析いずれにおいても多種多様な理論的枠組みがあり、それぞれの体系は上記の議論の対象となるほどには一本化されていないように思われた。但し、ACTに関しては、応用行動分析の拡張療法であり、応用行動分析が行動の原理で行動の分析を行うのに対して、機能的用語をより多く取り入れている点に特徴があるように私は理解している。なお、先日注文しておいた関連書がそろそろ手元に届くはずであり、さらに考えを深めていきたいと思っているところだ。

 ということで、今回の連載はこれをもって終了。