じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 7月31日(木)は、心理学教室の卒論・修論中間発表会が開催された。最近では、前期はポスター発表形式、後期の「直前発表会」は口頭発表形式をとることが慣例となっている。


2014年7月31日(木)

【思ったこと】
140731(木)7月を振り返る/敷地内全面禁煙実施後の対策

 恒例の「月末ふりかえる」であるが、このところ、他の連載記事などを書いていたため、きっちりと毎月の総括ができていない。そうこうしているうちに、前期授業も終了となった。

 7月中にほぼ完成した作業としては、まず、

長谷川版・行動分析学入門

のオンラインテキストを公開したこと。この電子媒体は来年度以降も教科書として使用する予定である。行動分析学の他の入門書と異なる点は4月10日に述べた通りであり、
  • 客観科学ではなく、社会構成主義的な視点を含む。
  • 全人的視点に立つ。
  • 環境との関わりの仕組みについて、常に、階層性や、入れ子構造に注目する
といった特徴をもつ。なお、「第7章 人間と社会に関する諸問題」についてはすでに、7月の日記の中で、10個ほどのテーマを取り上げている。このオンラインテキストは、9月中旬のダイバージョナルセラピーの講義でも紹介する予定であり、それまでにはできる限り整備したいと思っている。

 このほか、7月中の大きなイベントとして「落とし物未然防止検討会」の初会合があった。都道府県単位では全国初ということで、報道関係者も何社か取材に来ておられた。私の顔もテレビに映っていたが、以前に別の番組に出た時よりは顔のシミや白髪が目立つようになり、いつの間にか、60歳代の顔になっていることを実感した。

 あと、このところ、諸般の事情により、早朝と夕食後の散歩ができない状態となっている。これに代えて、秋口からは「座主川沿い健康ウォーキング」なる企画を主宰する予定。昼休みなど、座主川沿いの遊歩道を一周して、岡大随一の自然環境を満喫し、かつ、この歩道周辺で違反喫煙している人たちに禁煙とウォーキング参加を呼びかけるという内容。敷地内全面禁煙が実施された4月1日以降、頻繁()に席を離れて敷地外まで喫煙に行く職員の姿を見かけており、このウォーキングへの参加を呼びかけ、禁煙サポートの一助にさせていただこうと考えている。もちろん、学生の参加も歓迎。
岡大は敷地が広いため、1回あたり往復移動に5分間×2、喫煙に5分間としても15分間。敷地外に4回出かけるだけでトータル1時間のロスとなる。これにより当該職員は勤務時間内に仕事をこなすことが困難となり、喫煙に要した時間分を取り戻すために、夜間や休日に過重な勤務をせざるを得ないことになり、心身の健康を損なう恐れが出ているように思う。

 上記の問題とも関連するが、そもそも、敷地内全面禁煙の実施は、
  • 全面禁煙を導入する以前の1〜2年間に教職員や学生への禁煙サポートを徹底し、勤務時間帯や登校時間帯にはタバコを吸わなくても精神的に安定できるよう、ニコチン依存からの脱却を達成しておくことが必要。
  • 敷地内全面禁煙実施後は、隠れ喫煙や出入口付近、歩道上などでの迷惑喫煙をしないよう、巡回スタッフを増員して注意喚起活動を継続的に行うことが必要。
という2つの前提があって初めて実のある内容となる。それらが不十分なままに敷地内全面禁煙を断行してしまうと、これまで指定喫煙所を利用していた喫煙者は、禁煙に踏み切るほどの切迫状態に追い込まれないため、けっきょく、喫煙場所を公設指定喫煙所から敷地外の路上に移動して喫煙を続けることになってしまう。そういう意味では、岡大における禁煙サポート対策が中期計画や年度計画に基づいて着実に行われてきたと言えるのか、いろいろな施策についてしっかりとした効果検証が行われたきたのか、次回の関係委員会で指摘していきたいと思っている。

 なお私は、個人的には、指定喫煙所の一時的復活というオプションもあっていいのではないかと思っている。但し、従来のような、喫煙者どうしが集い談笑するような場ではない。例えば保健管理センターの横に、換気煙突付きのプレハブ小屋を建てて、学生証や職員証によりドアを開けて個別に喫煙していただくようにする。壁にはタバコの害の恐ろしさを訴えるポスターを貼り、室内では、恐怖の叫び音、うめき声、あるいは釘でガラスをこするような不快な効果音が流れる。さらに、室内全体で、(身体には害の無いような)悪臭を放つようにする。さらに予算があれば、不規則に揺れるような電動チェアを用意する。この椅子は車酔いのような不快症状が起こるような振動パターンで揺れるものとする。そして、この喫煙所を利用した教職員や学生に対しては、定期的に禁煙セラピーを受けていただくようにする。上に述べた、「座主川沿い健康ウォーキング」のようなpositiveなサポートと、ここに述べた「禁煙補助施設型の喫煙所」を併用すれば、勤務時間中や授業時間帯に席を立って喫煙をせざるを得ないという重度の依存症の改善につながるのではないかと期待している。