じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 農学部農場の実験施設。少し前に太陽光発電施設が建設され、その後、その真下と隣に野菜が植えられていた。門外漢なのであくまで想像になるが、おそらく、太陽光発電施設の真下でも一定の日照があり、野菜の栽培には影響が無いということを、すぐ隣の普通の畑で栽培されている野菜との群間比較実験によって示そうとしているのであろう。将来、日本の畑作地が、大規模な太陽光発電併設地帯に生まれ変わる日が来るかもしれない。



2014年6月8日(日)

【思ったこと】
140608(日)長谷川版「行動分析学入門」第8回(5)好子出現の随伴性による強化(31)そのほかの好子出現のスタイル(5)目標との整合性、目標達成度の点検、累積的成果の明示(1)

 6月5日までのところで、日常生活の諸行動は、個々バラバラの行動の寄せ集めではなく、一定の長期視点のもと、入れ子構造型の行動随伴性によって強化されていると述べました。しかし、これは、行動の直後に好子が出現するという直接効果型の随伴性が無力であると言っているわけでは決してありません。むしろその逆であり、

長期的視点のもと、入れ子型に構成されている諸行動が強化されるためには、直接効果型の随伴性を付加する必要がある

ということを強調しておきたいと思います。

 例えば、健康維持という大目標のもと、体脂肪率を30%から20%に減らすために毎日1万歩ウォーキングするという具体的目標を立てたとします。しかし、「目標:体脂肪率20% 毎日1万歩ウォーキング!」と大きく書かれたポスターを壁に貼っておくだけでは、これを遂行することは困難です。なぜなら、何日か1万歩ずつ歩いたとしても、体脂肪率減少という結果は直ちには出現しないからです。まして、体脂肪率30%の人が20%になるためには相当の日数を必要とします。これは、日々のウォーキングと最終目標達成のあいだに相当日数の遅延があることを意味しています。



 そこで、上図のように、プラスαの結果を付加する計画を立てます。主要なプラスαは、
  • 体脂肪率減少のためにウォーキング良いという整合性の確認
    本やネット上から、そのような主張をしている記事や根拠を集める。これによってもたらされる確立操作や弁別刺激提示【後述】により、日々のウォーキングの遂行は、他の行動より優先的に行われる。
  • 日々のウォーキング遂行状況や体脂肪率をグラフや表に記録する
    これにより、「目標達成の進捗」という好子が付加される。また、累積的結果それ自体(100回達成といったキリ番など)が付加的な習得性好子となる。
  • 周囲の人たちからの社会的好子の付加 ウォーキング遂行状況を他者に公表し、達成した時には賞賛してもらう。必要に応じて、一緒に遂行する仲間を増やすとか、【ダイエットではあまりオススメできませんが】競争を導入することもよい。

 このように、さまざまな習得性好子を付加することで、より確実に目標を達成することができます。ということもあり、目標を設定することは、人生を前向きで豊かな内容にしていく効果があります。目標を立てなくても生きていくことはできますが、目標のもとに生活設計をしたほうがお得ですよ、という意味です。

次回に続く。