じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大・大学会館南西側のベンチは以前から違反喫煙が横行していたが、GW明けの木曜日になって、事務方により新たに「キャンパス内全面禁煙」の樹脂製スタンド看板が設置された。このこともあって、金曜日夕刻〜土曜日朝の吸い殻ポイ捨ては1本も無く、やっとこれで違反喫煙ゼロが達成できたのかとホッとしたところであったが、日曜日早朝に同じ場所に行ってみると、なっなんと、看板とベンチ下に合計17本、数メートル範囲で20本を超える吸い殻がポイ捨てされていた。これらは土曜日昼から日曜日朝までに集団喫煙者によって投げ捨てられたものと推測される。こういう、人に見つからなければ平気で悪事を働くという連中に対しては、「禁煙にご協力ください」などという低姿勢ではダメで、大学の敵として厳しく対処する必要があるように思う。


2014年5月10日(土)

【思ったこと】
140510(土)長谷川版「行動分析学入門」第5回(7)好子出現の随伴性による強化(7)習得性好子(4)トークンの効用と留意点

 前回、スキナーが、生得性好子と思われがちな、「注目」、「承認」、「愛情」、「従順」なども般性習得性好子に含まれると論じていることを紹介しました。しかし、一般的に「般性習得性好子」と言えば、その代表格は「お金」あるいはそれに類するトークン(商品券、クレジットカードの利用ポイント、地域通貨、RPGゲームの経験値など)であるとされています。

 トークンは、さまざまなビジネスにおける販促効果、地域の交流活性化のほか、発達障害児支援、さらにはセルフマネジメント(セルフコントロール)の手法としても活用されています。

 例えば、毎日、英会話を30分間練習するというセルフマネジメントの計画を立てたとします。しかし、1週間や2週間程度それを継続しても直ちには英会話の学習成果は現れてきませんので、長続きさせることは困難です。【要するに、好子出現の随伴性に即して言えば、英会話の勉強は、学習成果という結果がすぐには伴わないため、なかなか強化されにくいということです。】 そこで、毎日30分勉強した時には自分に1ポイントを与えるという自己契約の誓いを立てます。自己契約書には、例えば5ポイント貯まったら好きなお菓子を買うとか、10ポイント貯まったら好みのDVDを借りに行く、50ポイント貯まったら旅行に出かける、というようにいろいろな交換条件を記しており、ポイントが貯まらないうちはゼッタイにお菓子を買ったりDVDをレンタルしたり旅行に出かけたりしないという誓いを立てます。このようにすれば、毎日30分の英会話の勉強は、その直後にポイントを獲得するという形で強化されやすくなります。

 さて、このトークンは、

●他の好子と対提示されることで好子としての機能を持った刺激、出来事、条件

あるいは長谷川版で判別条件とされた、

●別の好子の存在を前提条件として機能するような好子は「習得性好子」。

という、定義上の必要条件に加えて、
  • 他の好子と交換可能であること。【交換価値】
  • 交換期限が切れると、直ちに好子としての機能を失う
  • 有形(タンジブル、tangible)であり、数えられること。
という重要な特徴を必要としています。

 これに対して、5月8日のところで述べた「注目」、「承認」、「愛情」、「従順」などの般性習得性好子は、何かと交換したり、数えられるようなモノではありませんし、交換期限がつけられているわけでもありません。同様に、金箔などの純金や宝石類、芸術作品なども、投機対象としての交換価値はあるものの、交換期限を過ぎると即刻価値を失うというようなものではありません。交換価値だけに支えられた紙幣は、革命が起こってその紙幣が無効化されたとたんにタダの紙切れになってしまいますが、金箔や宝石や芸術作品は、室内に飾っておくだけでも豪華な装飾になります。【よほどのコインマニアでない限り、紙幣を壁に飾って喜ぶ人はいません。】

 ということで、同じ般性習得性好子といっても、純粋に交換価値だけに支えられているような道具型のタイプと、価値創出に相当するようなタイプでは、本質的に異なる機能や特徴がある可能性があります。

 また、5月2日に述べたスキナーの「幸福の定義」から言えば、お金が単に好子であるというなら、お金を稼ぐために働くことは無条件に幸せな生活をもたらすことになるはずです。しかし現実には賃金労働は必ずしも生きがいになりません。これを考えるには、お金を好子として機能させるための確立操作、もっと言えば、他の人を働かせるためのツールとしてのお金の役割について考える必要があります。このことは、後半の応用編、「お金とは何か」で詳しく論じる予定です。


次回に続く。