じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 大学構内各所で、オス樹の楷の木の花が咲いている。ここにあるのは、秋に黄色に紅葉するタイプ【2009年11月8日の写真参照】


2014年4月15日(火)

【思ったこと】
140415(火)長谷川版「行動分析学入門」第1回(6)存在の原因と、変化をもたらす原因

 一口に「原因」といってもいろいろあり、諸原因が複合的に働いている場合にそのどこに注目するのかはニーズによって異なるとお話してきました。ここでもう少しシンプルに戻して考えますと、私たちが考える「原因」は、存在の原因と、変化をもたらす原因に大別できることが分かります。そして日常生活では普通、存在の原因はあまり深く追求せず、つまり、それ自体が存在することは当たり前であると考えておいて、その前提の上で、それ自体の変化、つまり上がったり下がったり、増えたり減ったりといった原因を考えることが一般的です。

 例えば、「水」というものがなぜ地球上に存在するのか、どういう分子で構成されているのかということはどこかに置いておいて、水が凍ったり沸騰したりする原因(条件)を調べ、日常生活に応用します。

 人間の体温についても同様であり、我々の関心時は、熱が出た時にどう対処するのかということであって、体内で作られる熱エネルギーがどのように作られるのかということは知らなくても風邪を治すことはできます。

 人はなぜ笑うのか?というのはかなり根本的な問いとなりますが、その生理学的メカニズムについての知識は、コメディアンが人を笑わせようと技を磨くさいには必要ではありません。

 このほか、現実社会で問題となる、外国為替レート、物価、失業率、交通事故、自殺率などもおおむね、何かが増えたり減ったりすることが関心事となります。

 なお、上述の例では、変化をもたらす原因のうちもっぱら量的な変化を取り上げましたが、質的な変化についても考慮する必要があります。これについては、「行動の定義」のところで詳しく述べることにします。

 不定期ながら次回に続く。