じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 10月16日に伊豆大島に大きな被害を与えた台風26号に続いて、台風第27号 (フランシスコ)がまたまた日本列島に向かっている様子である。気象庁10月20日06時40分発表の情報によれば、
  • 強さ 猛烈な
  • 中心位置 北緯 17度35分(17.6度) 東経 138度00分(138.0度)
  • 進行方向、速さ 西北西 15km/h(7kt)
  • 中心気圧 920hPa
となっている。
 今回の台風は、台風26号より中心気圧が低く「猛烈な」強さとなっているが、現時点では「大型」とは形容されていない。また、写真左の衛星写真が示すように、その東側に熱帯低気圧が発生しており、今後複雑な動きを見せる可能性もある。
 なお、衛星写真と米軍の時刻は協定世界時(UTC)【時刻の後ろに Z を添える】で、日本時間より9時間遅い。


2013年10月19日(土)

【思ったこと】
131019(土)高齢者における選択のパラドックス〜「選択の技術」は高齢者にも通用するか?(34)選択を階層的に捉える(4)

 昨日の続き。

 選択を階層的に捉えることのメリットの1つは、「こんなはずじゃなかった」という後悔の原因を突き止める手立てになりうるということにある。

 例えば、大学受験でA大学とB大学という2つの大学に合格し、A大学への入学を決めたとする。しかしその後、この大学は出席重視で成績評価も厳しく、留年率の高いことが分かった。しかも毎日、通学に1時間以上かかる。もしB大学に入学していれば、比較的自由な学風で自分の好きなテーマで学べるし、通学は30分以内で済んでいたはず。となると、「こんなはずじゃなかった。B大学に入学しておけばよかった。」という後悔が発生する。

 これは一般的には、2つの大学のいずれかを選択するということについての後悔と見なされるだろうが、実際には、
  • A大学に入学
    • 出席重視
    • 成績評価厳しい
    • 通学時間1時間以上
  • B大学に入学
    • 自由な学風
    • 通学時間30分以内
というように、大学を選んだこと自体の失敗ではなく、それを選んだことによって生じる種々の行動機会や、その行動を強化している随伴性(阻止の随伴性によって義務的に行動している場合がどれだけあるか、それとも、好子出現による強化だけであって行動しなくても平穏な状態が保てるか)、入学後に求められる新たな選択機会の中味などのうち、一部が後悔をもたらしているのである。もちろん、シュワルツの本などで言われているような、追求者的な態度は止めようとか、【選択しなかった対象との】比較は止めたほうがいいとか、過剰な期待をいだかないといった様々な対処方略、あるいは第6章で語られてきたさまざまな後悔の原因【9月2日以降の日記参照】を理解するというだけでも、後悔はある程度は解消できるだろうが、いちばん本質的な問題は、A大学に入学したあとで生じた、
  • 出席重視
  • 成績評価厳しい
  • 通学時間1時間以上
といった困難にどう前向きに対処するかという部分にある。出席重視や通学時間の長さが問題であるならば、自宅通学をやめて、大学周辺のアパートに引っ越すというのも一案であるし、成績評価が厳しいことに対しては、予習復習の方法を改善するなどの手立てが考えられる。このように対処していけば、「選択がもたらす後悔」と言われる後悔は、実は、選択自体に原因があったのではなく、選択したあとの行動がうまく強化されていないところに原因があったと気づくであろう。

 次回に続く。