じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大珍八景のトップ「水田のパラレルワールド」出現!
 農学部農場の水田に水が張られた。毎年この時期に出現するのが「水田のパラレルワールド」、つまり、水田に遠くの景色が映り、そこにもう1つ別の世界があるかのように見える現象である。5月5日の日記にも述べたように、私はこの風景を、「岡大珍八景」のトップに挙げている。過去記録へのリンクが2012年6月9日の日記にあり。



2013年06月7日(金)

【思ったこと】
130607(金)世界禁煙週間(3)安全衛生委員活動日誌執筆にも弊害がある

 岡大敷地内喫煙ゼロをめざす安全衛生委員活動日誌を執筆しWeb上で公開することは、大学構内を見回ったり、喫煙者に注意を呼びかける行動を強化する上で非常に有効であった。しかし、弊害が無いわけでもない。昨日も述べたように、この1ヶ月余りで、弊害とも言える変化が私の身に起こってきた。それは、大学構内を眺める目が、従来とは全く異なってしまったことである。

 私はもともと植物に興味があるので、こういう行動を開始するまでは、構内の人たちには殆ど関心がなく、もっぱら木々の緑や足元の草花に目を向けていた。ところが、こういう行動を始めてからは、周囲を歩く人、自転車に乗っている人、ベンチで休んでいる人にまず関心が向き、そういう人の中で、口元に手を当てているような人がいれば、喫煙をしているのではないかと、注意深く観察するようになった。その分、自然を観察する機会が失われてしまったように思う。

 この体験で改めて感じたが、我々は環境を丸ごと客観的に捉えることは決してできない。同じ街角にあっても、ファッションに興味のある人は、通行人の服装ばかりに目を向ける。ショッピングに興味のある人はお店に、建築に興味のある人は建物の構造に、また、パトロール中の私服警察官であれば通行人の中にスリやテロリストがいないかどうかに関心を向ける。環境世界自体は客観的に存在しているが、個々人の関心空間はみな異なる。その人が、環境のどの部分に働きかけどのように強化されているのかによって、同じ環境でも全く別物になってしまうのである。最近の私は、大学構内ではまず、そこにいる人たちを見て、それを、非喫煙者という善人と、指定場所以外で喫煙をしているという悪人に見分けることばかりに注意を向けるようになってしまった。さらに、講義棟などの建物を見ても、そのウラ側でこっそり喫煙をしている者がいるのではないかと思うようにさえなってきた。極言すれば、これは、戦場の兵士が、物陰に敵兵が潜んでいるのではないかと警戒しながら巡回するようなものである。

 ということで、安全衛生委員の任期の2年間はこういう活動を継続するとして、任期を終えたあとは、ふたたびのんびりと自然環境主体に目を向けるようになりたいとは思っている。そのためには、早期に、大学キャンパス内での喫煙行為がゼロになることが望ましい。

 余談だが、以前、タスマニア原生林を歩いた時には、喫煙行為を厳しく制限している国ということもあって、喫煙者は一人も見かけず、そもそも、この世の中に喫煙者がいるということさえ忘れかけてしまった。タスマニアで目撃した唯一の喫煙行為は、トレッキングの終了後、ボノロング・ワイルドライフパークを訪れた時の出来事であった。ホバートに寄港した豪華客船の乗客一行の中に、一人だけタバコをくわえながら歩いている男性がいたが、最初は、この人、口から煙を出して何をしているのだろう?と感じるほど、久しぶりに目撃した喫煙行為であった。岡大構内においても、喫煙行為が何だったか忘れてしまうくらいに稀有な出来事になることを期待したい。

 次回に続く。