じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§

 NHK朝ドラ「純と愛」では、月曜日以降の毎回、ホワイトボードに書かれた日付・曜日が映し出されるシーンがある。表向きは晴海さんの認知症対策であるが、視聴者は、これを通じて、どういう季節なのか、前日の放送回から何日間経過したのかが分かるような仕掛けになっている。

 しかし3月4日の日記に記したように、5月7日(月)、5月8日(火)というのは2012年の日付であった。ところが、水曜日と木曜日の放送では、5月15日(水)、5月16日(木)というように2013年の日付であり、なんと、火曜日と水曜日のあいだに1年間も経ってしまったことになる。また、5月15日(水)と5月16日(木)には「純と愛 8時〜」というメモがあるが、「純と愛」は今年の3月30日で最終回となるので、2013年5月の8時からは放送されていないはず。このあたり、番組スタッフの単純ミスなのか、それとも、何か重大なメッセージを含んだ伏線なのかは、解釈が分かれるところである。




2013年03月6日(水)

【思ったこと】
130306(水)第18回人間行動分析研究会(3)ハトとヒトの相対優位性(2)

 3月5日の続き。

 話題提供では、正方形の周囲枠の大きさや、そのある縦線分の長さをいろいろに変えて、訓練とテストが実施された。その結果、ハトは相対情報への感受性が高いということが示された。さらに、その結果解釈に対して想定されるいくつかの批判に対しても、反論とそれを裏付ける根拠が示された。この実験で面白いのは、個体差を、天井効果で最小限にしてしまうという手続をとったことである。すなわち、ハトを「相対一致課題エキスパート群」と「絶対一致課題エキスパート群」に分けて十分な精度が維持できるまで訓練した点であった。もっともそこまで訓練するには、相当のご苦労が要るようであった。 また、ここでは、ヒトとハトが相対的認知優位という同じ傾向を示した点も注目される。

 ここからは私の考えになるが、まず相対的認知に関しては、ハトのように空を飛びながらすばやく風景を捉え、餌や巣を探す動物の場合、相対的認知には相当程度の適応的価値があるように思われる。いっぽう、アモーダル補間、エビングハウス錯視、ツェルナー錯視などについては、適応上の価値は考えにくい。もちろん、適応的価値を指摘することと、そういう現象が生じる原因を同定することは別問題であるが、それほど奇異には感じなかった。

 もっとも、相対的な大きさということと、「周囲枠−中心線分」という周囲と中心との関係は別問題ではないかと思う。例えば、漢字の「へん」と「つくり」のサイズをいろいろに変えて相対優位か絶対優位かを比較した場合、さらには、外側の正方形のほうが標的刺激であって、その中の縦線は単なる飾りであった場合はどうなるかなども検討してみると面白いのではないかと思った。

 もう1つの、「個体経験の効果を“天井”で揃えてしまう」というテクニックについては、確かに、量的指標では同じレベルに揃えたということにはなるものの、ある学習基準までに要する訓練回数に顕著な個体差があった場合は、やはり、のちの段階での個体差は消えないのではないかという気がしないでもない。例えば、日米の文化差を調べる目的で、米国在住の日本人の個体差を消すために、TOEICの点数が900点を超えるまで繰り返し英語の勉強をさせれば個体差は消えるかということに置き換えてみるに、確かに、英語力自体の個体差は見かけ上揃えられるだろうが、英語訓練の日数の差が新たな個体差をもたらす可能性は否定できないようにも思えた。

次回に続く。