じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2012年版・岡山大学構内の紅葉(13)京都の庭園風のモミジ

昨日と同じ、理学部自転車置き場の南側にあるモミジ。京都のどこぞの庭園に似た風景。

過去の記録は以下の通り。

11月21日(水)

【思ったこと】
_c1121(水)脳のはたらきからみた幸せのかたち(3)ドーパミンとセロトニンの役割/国別の自殺率・他殺率

 昨日の続き。

 講演では続いて、こころの健康に影響を及ぼすドーパミンとセロトニンについて詳細な解説があった。昨日も述べたように、自動車のギアに喩えれば、ドーパミンは「トップ」、セロトニンは「ギア」ということになる。

 まず、ドーパミンは、
  • ワクワク(新規【新奇?】探索、意外性)
  • ピリ辛、苦さ、クセ(大人の味)
  • 特殊な方向へ追求(機能分化)
  • シャープ、かっこいい
  • 興奮・意欲(疲労感の消失)
  • ヒノキの香り
といったように特徴づけられる【当日配付資料からの引用】。また、ウィキペディアに記されているように、覚醒剤は一般にドーパミン作動性に作用するという。また、ドーパミンが低レベルにあると、やる気の無い状態に陥る。

 次にセロトニンは、
  • ホッ(満足、ゆったり、安心・安全)
  • お母さんの味
  • 毒では無い(生物的おいしさ)
  • まるい・かわいい
  • 癒やし
  • 緑の香り
といったように特徴づけられる【当日配付資料からの引用】。セロトニンが不足すると、不安な気分に陥る。また、うつっぽくなる、感情のブレーキがかかりにくくなる、攻撃的になる、食欲が増す、甘いものが欲しくなる、寝起きが悪い、気持ちがスッキリしない、たくさん寝ても眠い、などの症状が出てくるという。

 講演によれば、セロトニンが不足する原因としては、慢性的なストレス(脳の疲労)のほか、昼夜逆転、太陽の光を浴びることが少ない、栄養不足などが挙げられる。そのせいか、日照時間の少ない高緯度地方の国・地域では自殺率が高いという。念のため、ネットで検索したところ、最新の図録がこちらの図録に掲載されていることが分かった。それによれば、自殺率の高い国は、1位から順に、リトアニア、韓国、ロシア、ベラルーシ、ガイアナ、カザフスタン、ハンガリー、日本、ラトビア、スロベニア、スリランカ、ウクライナ、ベルギー、フィンランド、セルビア、....というようになっている。確かに、ロシアやフィンランドのような高緯度地域もあるが、日本や韓国、さらに赤道に近いスリランカなども上位にあること、また、高緯度の国でも、アイスランドやノルウェーはそれほど高くなく、必ずしも、日照時間の短さが及ぼす影響は限定的であり、先進国における仕事上のストレス、高齢者の自殺要因などがそれ以上に関与しているように思えた。

 ちなみに、1年を通じて日照の多い赤道付近では自殺率は低いが他殺率は高くなるという。ネットで検索したところこちらの図録に、自殺率と他殺率の相関(2002年)が図示されており、赤道付近の国々やラテンアメリカで他殺率が高いことが見て取れた。但し、ロシアをはじめ旧ソ連圏の国では、自殺率と他殺率の両方が高い傾向があるようにも見える。他殺率と日照の量が全く無関係とは言えないだろうが、それぞれの国の治安、貧富の格差、銃器所持の規制、飲酒の規制、住居環境などのほうが多大な影響を及ぼしていることは間違いない。


次回に続く。