じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 振替休日を利用して、岡山県運転免許センターまで運転免許証更新に行ってきた。写真上は、免許センター正面。どこぞの国の議事堂のような立派な建物である。写真下は、更新手続の窓口(↓の記事参照)。

10月11日(木)

【思ったこと】
_c1011(木)「交通安全協会のお金の集め方は納得できない」と免許更新のたびに思うわたし

 10月11日(木)は土日出張の振替休日になっていたので、5年に一度の運転免許更新に行ってきた(上の写真参照)。

 この免許更新手続の際に毎回疑問に思うのが、交通安全協会の会費集めのやり方である。2002年10月11日の日記(=10年前の更新時)にも記したように、本来、賛同した人だけが任意に払うはずの会費納入を、正規の更新手続の流れ作業の途中に、会費を払わないと気まずい思いをさせるような形で協力を求めるというのは、間違ったことであると私は思う。10年前の更新時の場合は、窓口がA、B、Cというように左から順に配置されており、途中にこういう小さな案内板が設置されていた。会費を払いたくない人は、大勢の行列の中でわざわざ「協力できません」と申し出なければならなかったのである。なお、5年前の2007年の時はどうであったかと調べてみたが、過去日記には特段の記録は見当たらなかった。おそらく同じ方式をとっていたものと思われる。

 さて今回は、出かける日の朝にウィキペディアで交通安全協会がどのようなお金を集め方をしているのかをチェックしてみたところ、以下のような記述があることが分かった。
交通安全協会の問題点:会員勧誘・会費徴収方法
この交通安全協会への加入は、個人の任意である。しかし、任意であることの説明が十分でないまま、あるいはまったくないままに同じ窓口にて一連の手続きの中に組み込まれて支払わされていることが少なからずあり、支払い(=入会)を義務と誤認するケースが後を絶たなかった。過去には全国市民オンブズマン連絡会議所属の新海聡弁護士は「任意であることを明示しないなら詐欺的行為だし、周りに迷惑をかけるかもしれないと心理的圧迫を加えるなど、ある種の脅迫、詐欺商法ともいえる」とし、交通安全協会費の集め方に問題があるとして、愛知県交通安全協会を「詐欺」として訴えた。その結果、名古屋地裁は詐欺と認めることまではしなかったが、「協会費の集め方に問題がないとはいえない」と会費の集め方に問題があることを認めた。この判決を受け2006年3月31日には、会費徴収方法に対する批判に措置を講ずる旨を含む「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」が閣議決定された。これを受けて、警察庁は各都道府県の警察に対し、会費徴収窓口と運転免許証更新受付窓口の分離などを含む改善の指導を行った。これを受けて窓口を別にする等の措置が講じられたため、加入者は激減した。
 そうか、私が長年疑問に思っていたことは、やはり正しかったのか。これでやっと、不愉快な思いをせずに運転免許更新手続ができると思いつつ、運転免許センターに出かけたのであるが...、残念ながら、実際は、「証紙売場」で、証紙を購入する人全員に、「会費をいただくことになっています。お願いできますか?」というような勧誘がなされており、以前よりも断りにくい状況になっているようにも見えた。もちろん、事前に届いた「更新手続のご案内」という葉書によれば、優良運転者の場合、更新申請手数料2500円については、「岡山県収入証紙を事前に購入してください」となっているので、ここの窓口を利用しなくても、どこぞの郵便局で買ってくることもできるようであった。しかし、それとは別に講習手数料600円というのがあり、これは「申請場所で購入してください」と記されているので、この窓口以外では購入できないようである。いずれにせよ、そのようなものは自動券売機のようなもので発行すれば済むことで(←パスポート発行場所ではそういうマシンがあったと記憶している)、あのような窓口で人手で販売するのは人件費の無駄使いと言わざるを得ない。というか、悪く言わせてもらえば、交通安全協会の会費を集めるために、あえて、券売機を設置せず安全協会の職員に証紙発行を委託しているということになるのだろう。とにかく、この会費支払いの勧誘や、支払いを渋る人への説明が行われることによって、ピーク時には証紙売場に行列ができ、この長蛇の列のせいで、私もあやうく、講習の受講時間に遅刻して1時間半後まで待たところであった(実際にはなんとか9時30分開始の講習の2分前に入室できた)。

 他にも問題が3つほどあるように思われた。

 まず、上の写真(帰る時間なので空いている)では「証紙売場」と「交通安全協会」の窓口は別々になっているように見えるが、私が観察した限りでは、安全協会のほうの窓口は少なくとも午前中ずっとカーテンが降ろされたままで機能していなかった。形式的に別の窓口を設けていると見せかけているだけなのかもしれない。

 第二に、交通安全協会会費納入が任意であるということについてちゃんと説明がなされているのかどうかである。確かに、行列の横の看板には「任意」という文字もあったが、それを見る人は少ないであろう。たまたま私の隣の行列で証紙を購入した若者と、私の前に並んでいた若者の会話が聞こえてきたが、
  • いくら払った?
  • 4900円
  • あれ、初回更新は4000円じゃなかった?
  • そうなんだけど、なんだか分からない手数料をとられた。
というような感じであり、少なくとも、その若者は、自分の払った900円が、任意の交通安全協会費3年分であるということを知らずに払ってしまったように思われた。

 もう1つ、会費を支払った人の会員登録はどうやって行われているのだろうか。行列の後ろから観察しただけなのできわめて不確かだが、私の見た限りでは、納入者が入会申込書のようなものに氏名・住所などを記入していることはなかった。とすると、窓口のほうで、更新前の免許証、もしくは更新手続のご案内の葉書をコピーして入会申込書記入に代えているのではないかと思われるが、その場合、個人情報の取得や利用範囲について、きっちり説明し、承諾を得る必要がある。それとも、氏名は一切把握せず、匿名の募金のような形でお金を集めていたのだろうか?

 なお10年前にも記したが、以上述べたことと、交通安全協会自体の活動が良いか悪いかというのは全く別の次元の問題である。私はあくまで、会の活動内容ではなくお金の集め方を問題視しているのである。