じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山県・岡山では、9月10日から11日朝にかけて、まとまった雨が降った。合計雨量は10日が6.0ミリ、11日は11日午前07時までで9.0ミリとなっている。これで、最低一週間は、花壇の水撒きをしなくて済みそうだ。

 写真は、文法経講義棟前にできた水たまり。時計台を映している。

9月10日(月)

【思ったこと】
_c0910(月)日本質的心理学会・第9回大会(9)個人の準拠枠の変容をTEM・TLMGで描く(9)宗教カルト経験者の価値観の変容過程(1)

●制度的な組織の境界を超えた繋がり、活動、学習による個人の準拠枠の変容をTEM・TLMGで描く

の話題の続き。

 2番目の話題提供は、

●宗教カルト経験者の価値観の変容過程を描く

というタイトルであった。これまでにも、日本心理学会シンポなどを含めて、マインドコントロールや脱カルトの研究発表は何度も行われているが()、TEM/TLMGが分析ツールとして活用された事例を拝聴するのは、私としては今回が初めであった。
 さて、話題提供者によれば、これまでカルトは、行動、思想、感情、情報などをコントロールすることで個人のアイデンティティを破壊し、それを新しいアイデンティティに置き換えてしまうシステムであるマインド・コントロールという概念で説明されてきた。しかし、近年、退会しても、社会への適応を困難にするような様々な症状が現れ、退会後のケアや社会復帰支援のための臨床心理学的支援が求められるようになってているという。

 ちなみにカルト宗教は、「霊的体験の推奨」、「絶対者とのつながり」、「直覚的思考」、「主観的体験重視」といったオカルト的世界観を持っていると言われるが、その一方、「お金や信者獲得といった数量の追求」、「過活動による心身の分裂」、「ウチとソトでの善悪の両極化」、「分析的思考」、「客観的把握の重視」といった、デカルト的二元論の世界観を、「否定しているように見えて実は持っている」という部分があり、面談をしているとコロコロ変わるといった、統合失調症的な症状を呈することがあるという【長谷川の聞き取りのため不確か】。

 さて、TEM/TLMGの話題に戻るが、この研究では、等至点に着目してサンプリングする方法として「歴史的構造化サンプリング、HSS」が採用され、また等至点としては、「入信」、「退会」、「退会後の社会的適応」という3点が設定された。このあと、「対話的自己による分析」としてポジションの変化が図解された。対話的自己論については日本教育心理学会第48回総会のシンポやその後のハーマンス先生の講演などを拝聴したことがあるが、なぜここで、TEM/TLMGと並列的に「参照」されたのかについては、私の聞き取り不足のためか、よく分からなかった。なお、ハーマンス先生は、今年の日本パーソナリティ心理学会第21回大会(2012年10月6日(土),7日(日)、島根県民会館)でも講演されるとのことである。ちなみに、司会者のお一人、安田裕子氏は

TEMでわかる人生の径路 質的研究の新展開

の編著者のお一人でもある。もっとも、地理的に近い島根が会場であるとはいえ、10月上旬は後期の授業開始直後でもあり、残念ながら足を運ぶことはできない。

 次回に続く。