じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 本部棟に映る朝日とクスノキの影(8月3日05時50分頃に撮影)。日の出の方位がしだいに真東方向に移動するため、まもなく樹全体の影が映るようになるはず。もっとも、私の場合、早朝散歩は06時すぎまでと決めているので、日の出の時刻が遅くなるとその光景を見ることはできなくなる。

8月2日(木)

【思ったこと】
_c0802(木)TEDで学ぶ心理学(1)Matt Cutts: Try something new for 30 days.(マット・カッツ「30日間チャレンジ」)

 7月25日の日記に記したように、この夏休みは、TEDの公式サイトから興味のあるプレゼンをダウンロードし、英語スピーキング力の若返りをめざす計画を実行中である。

 これを機会に、公式サイトの中で、心理学あるいは人間行動全般に関係のあるプレゼンをいくつか取り上げ、コメントしていきたいと思う。

 今回は、NHKのスーパープレゼンテーション第一回(4月2日)でも紹介された、

Matt Cutts: Try something new for 30 days.(マット・カッツ「30日間チャレンジ」)

を取り上げたいと思う。ちなみに、このプレゼンの日本語全文がこちらに掲載されている。【TEDのオリジナルサイトでも、「Show transcript」で、日本語を含めていくつかの言語を選択して表示できる。】

 プレゼンの要点は、
  • 30日間は、新しい習慣を身に付けたり、何かの良くない習慣を絶つのにちょうど良い長さである。
  • 何かを本気でやりたいと思うことを30日間続けてみることで自身がつき、何だってできると思えるようになる。
といったことであり、この方が具体的に実践できたのは、1ヶ月毎日写真を撮る、キリマンジャロ登山(←登山に必要な筋力トレーニングや低酸素順応訓練をする?)、小説執筆(毎日 1,667語を30日間書く)など。その一方、30日間砂糖を断ったときは31日目に甘いお菓子をいっぱい買い込んでしまったという失敗談(ジョーク)も紹介されていた。新年の決意みたいな大きな改善を求めても長続きしない、ほんのちょっとした持続可能な変化(small changes=sustainable)を30日間続けて身につけるのが肝要ということである。

 このプレゼンを行ったマット・カッツ氏は、
2000年、大手インターネット検索会社グーグルに入社。ソフトウェアエンジニアとして、検索精度の改良などに携わり、現在はウェブスパム部門を統括する。
となっている通りで心理学者ではない。またプレゼンの中では、心理学の原理には一切言及されていなかった。とはいえ、ここで主張されたことは、行動分析学の「パフォーマンス・マネジメント」の実践例であると考えてよさそうだ。

 もっとも、ここで提案されているチャレンジでは、30日間の行動を支えるために必要と思われる付加的好子や嫌子は明示されていない。にもかかわらず達成できるのはおそらく、
  • 「30日間だけガマンしてチャレンジしてみよう」というのが行動を始めるきっかけとなる。これからずっと続けようとすると尻込みしてしまうことでも、30日くらいなら何とかなりそうと思う。(←「こういう行動を始めたらシンドイだろうなあ」という暗黙のルール支配が、30日間限定ということで働きにくくなくなる。)
  • 「30日間続ける」と決めることで、それを破ること自体が嫌子となる。よって、嫌子出現阻止の形で行動が継続される。
  • 「30日間続ければ身につく」というルール支配行動が、過去の成功体験の積み重ねで強固に働く。
といった点にあるのではないかと思う。

 ということで私自身も、TEDを活用したスピーキング力アップにチャレンジしているところであり、今回のような短いプレゼンはできれば丸暗記できるようになれればと思っている。

 余談だが、今回のプレゼンで紹介された実践例に限って言えば、私自身はすでにこれらを達成済みである。もっとも私の場合、特段の決意などはなかった。
  • 1ヶ月毎日写真を撮る→デジカメで毎日20〜30枚の写真を撮っている。
  • キリマンジャロ登山→ギルマンズポイントまでだったら、相当昔に登っている。
  • 小説執筆(毎日 1,667語を30日間書く)→小説は書かないが、Web日記ならほぼ毎日執筆している。


 次回に続く。