じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 山陽道経由で妻の実家のある北九州に向かう途中で立ち寄った宮島サービスエリア(下り線)。この展望台には無料の双眼鏡2台が設置されており、厳島神社方面を眺めることができのだが、前回訪れた時は大鳥居は改修中で、足場で囲まれた様子をやっと探すことができたが( 2012年5月2日の日記参照、)、今回は、朱い鳥居のほか、引き潮(12時12分頃)で出現した砂州の上を歩く人の姿を眺めることができた。

7月15日(日)

【思ったこと】
_c0715(日)「おひとりさまの最期」講演会(7)利用者満足度調査はあてにならない

 7月14日の日記の続き。

 講演では介護保険の話題に関連して、「利用者中心」や「利用者ニーズ」の問題点が指摘された。上野氏によれば、「利用者満足度調査」の回答者は、利用者本人ではなく、利用者家族による回答が多い。それゆえ、集計結果は当事者ではなくて、利用者家族のニーズや満足度を反映している可能性が高いというご指摘であった。特に今回話題の「在宅」に関して言えば、当事者にはそのニーズがある反面、家族の抵抗感は強いという。上野氏はさらに「待機高齢者42万人」のウソという見出しで、施設入所の意思決定者が家族であること、本人が決定する場合でも家族への配慮が主たる理由になっていることを指摘した。

 ところで、この施設入所の実状であるが、国内では、2003年頃からの指針により、新型特養建設にあたって従来の多床室から個室ユニット型が推進されるいっぽう、2006年からは、病院の差額ベッドに似たような「ホテルコスト」の徴収が開始された。さらに2009年のたまゆら火災事件や待機高齢者急増に伴い、個室を分割して多床室にする動きがあり、個室と多床室の入所にあたって高齢者の経済力格差が反映するようになってきたという。

 このあたりの推移については、自分自身の手で資料を確認することができなかった。もっとも私自身もいくつかのケースを通じて感じているところであるが、デイサービスとかショートステイというサービスは、当事者が楽しみを得るために利用するというよりも、家族が日頃の介護の負担から解放されるために利用していると言って間違いないように思う。しかし、介護の問題では、当事者のニーズばかりでなく、家族のニーズも同程度に配慮する必要があり、本人にとっては不本意であっても、家族の希望によって、ショートステイを利用せざるを得ない状況も否定できないようには思う。かくいう私なども、妻より先に介護が必要な状態になった場合は、不本意ながらそういうサービスに送り込まれ、なかなか家に帰して貰えなくなるという可能性も高い。といっても、自力で在宅介護をお願いできるようになるかどうかは不明である。

 次回に続く。