じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2012年版・岡山大学構内でお花見(42)ハルシャギクのお花畑

 一般教育棟・陸上競技場グラウンド内に咲くハルシャギク。「ハルシャギク属 Coreopsis」は、全種が種類名証明書添付が必要な特定外来生物のリストに含まれており、大学構内でも草刈機(刈払機)で刈り取っているが、多年草のため、消滅することはない。撮影場所は各種スポーツ用具が置かれていることもあって、草刈り機が入りにくく、手つかずの状態で残っている。

 ※岡山大学構内の花だよりのアルバム(追記更新型)をLife-Xに公開中です。随時追加していきますので、時たま覗いていただければ光栄です


6月28日(木)

【思ったこと】
_c0627(水)人間・植物関係学会2012年度大会(3)口頭発表(1)香りに対する年齢差

 大会2日目は、朝9時から口頭発表が行われた。

 1番目の発表は、「芳香植物の香りに対する年代別の意識および嗜好性」に関する研究であった。性別や年代によって五感に関する嗜好性がどのように異なるかについては、味覚や聴覚についての既往研究はあるが、嗅覚についての研究は少ない。

 そこでいろいろな世代の一般市民362名を対象に、「芳香植物を知っているか」、「芳香植物を好きか」、「好きになったのはいつか」といった質問を行ったところ、若い世代の場合は、芳香植物を知った時期と好きになった時期にはズレがあり、知った時期の早い遅いに関わらず、それらに好感を持つようになった時期は20歳代であったこと、いっぽう、30歳代以降となると、芳香植物を知った時期と好感を持つようになった時期が同時期となるタイプが過半数を占めるようになった。

 次に別の一般市民167名に、何種類かの芳香植物の匂いをかいでもらい、SD法形容詞対10個について、5段階尺度による評定をしてもらうという内容であった。

 実際に使用したのは、クレープフルーツ、ラベンダー、ペパーミント、ローズ(花)、ローズマリーの精油、及び「無香」というコントロール条件を設定した。結論的には、香りの好き嫌いについては年代差はないが、若年層のほうが強い香りに対して敏感であること、芳香植物利用の幅は年代が上がるにつれて広がることなどが示された。

 以上の研究はなかなか興味深いものであったが、最初の調査のところで、それぞれの年代の男女比率にバラツキがあり、特に10歳代のみで男性が比較的多く(男18:女15)、20歳代以降では女性の比率が男性の2倍から8倍を占めるというように偏りがあったため、本当に年代差であるのか、それとも性差の影響なのかが区別しにくい結果となっているところが残念であった。それゆえ、子どもから大人になる際の芳香植物が好きになる分岐点が本当に20歳代であるのか、それとも20歳代以降のサンプルに女性が多いためなのかもはっきりとは結論できないように思われた。経験的に言えば、20歳代になると、お化粧やアロマテラピーなどの影響で、芳香植物に関心を持つ女性が増えることは間違いなさそうであるが。

 いずれにせよ、香りに対する好みというのは、条件づけによって形成される可能性が高いように思われる。例えば、キンモクセイの香りがトイレの芳香剤に使われると、その香りはトイレと結びつく。このほか、タンスの防虫剤の匂い、各種食べ物の香り(←そこで使われているハーブや香辛料の香り)というように、基本的にはレスポンデント条件づけによって、本来中性的であった香り刺激の好みが形成されているものと思う。今回の報告ではあまり顕著な結果は見られていないが、年代や生活環境の違いにはこうした経験的要因が大きく働くはずである。

 次回に続く。