じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 月曜日はゴミの収集日であるが、収集が完了したあとからゴミを持ち込む不心得者があり、カラスに袋が食いちぎられて道路に生ゴミ散乱するなどの問題が起こっている。もっとも、ゴミを食い散らかすのはカラスだけとは限らないようだ。写真は月曜日昼に目撃した別の犯人。首輪をつけているので、どこぞで飼われていた犬が何らかの事情で迷い犬になっているのだろうか。

※なお、このゴミ袋は岡山市指定の有料ゴミ袋ではないため、収集を拒否されてここに放置されていた可能性が高い。

2月7日(火)

【思ったこと】
_c0207(火)QOL評価・向上のための複合的多項随伴性アプローチ(7)長期的分析(3)人生のカタチを描く(3)Bラインとは何か

 すでに述べたように、左の図(昨日の再掲。クリックすると拡大)は、年齢を横軸とし、AラインとBラインに囲まれる黄緑色のエリアに、その人が継続的に行っている活動を埋め込むことによって構成される。

 この「人生のカタチ」は、立体を横から眺めたものであり、縦に輪切りにすると、その年齢時点での円形の断面が現れる。その断面の中で、種々の行動の入れ子構造や、外界との関わりが表現されるようになっているのだが、これについては後述する。またこのことに関連するが、黄緑エリアに諸活動を埋め込む際には上下の位置はあまり意味をなさない。断面を開いた時に上下の位置には特に意味は無いからである。

 さて、問題は、
  1. Aライン、Bラインというのは何を意味するのか?
  2. どうやって測定できるのか?
  3. QOLはどう表現されるのか?
といった点にある。

 まず、「Aライン」や「Bライン」という呼び方は単にアルファベットの順番に割り当てただけであって特段の意味はない。しいてこじつけると、「A」にはachieve、accession、accessibleなどいくつかの意味があり、また「B」はbaseでほぼ決まりである。

 このうち「Bライン」というのは、その人の活動を支える基礎であり、健康、体力、知力、技能、人間関係、収入などによって左右される。それらは客観的に測定可能であるが、どういうファクターに重きを置くのかは、その人の活動内容に依存している。例えば、スポーツ選手の場合は普通10歳台後半から20歳台あたりに体力のピークがある。もちろん30歳、40歳となってもトップアスリートの地位を保つ方もおられるがいずれは現役引退を迫られる。

 年齢を横軸として継続的に行っている諸活動を並べるだけであれば、「Bライン」は水平線でもよいように見える。しかし、やはり、年齢によってできることとできないことはある。例えば若い時には体力はあるが、海外の山登りに出かけようと思っても旅行資金はない。逆に歳を取って生活資金にゆとりができる頃には、いざ山登りにチャレンジしようとしてももはや体力が及ばないということもある。職人芸のようなものは経験を重ねるなかで右上がりにアップしていくが、体が不自由になれば後進に道を譲るほかはない。

 というようなことで、「人生のカタチ」を考える時には、それぞれの人が何に重きを置くかという多様性に配慮しつつも、個人内においては「その歳でできること、できないこと」をわきまえる必要があり、「上昇→ピーク→下降」という山型のカーブを考えることはやはり必要ではないかと思っている。

 なお、「何に重きを置くか」ということは、その人の中でも変えることができる。スポーツ選手が現役を引退して、コーチ、監督、解説者、時にはタレントに転身して新たな活躍をするようになれば、かつて重要であった体力やその人自身のスキルが衰えてもBラインが下降することはない。病気や怪我でBラインが階段状に急降下しても、別の活動に転じればその喪失分を補ってあまりある上昇を獲得することもできる。

 とはいえ、70歳、80歳、さらには介護を受ける状態になった時に、若い頃以上の右上がりのBラインを獲得するということは殆どの人では困難であろうと思う。しかし、この場合、黄緑色のところから外れるような新たな活動を付加することが可能であり、おそらくそれらが、高齢者ケア、介護ケア、緩和ケアなどにおいて意味を持つのではないかと思っているのだが、これについても後述する。

 次回に続く。