じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2011年版・岡山大学構内の紅葉(6)農学部の楷の木

 農学部1号館正面の楷の木のうち、南側の男木(雄樹)の紅葉が見頃となっている。もっとも、今年は寒波到来が遅かったせいか、鮮やかさはイマイチ。なお、この写真は数日前撮影のものであり、11月19日〜20日にはこの場所で恒例の2011年度収穫祭・農学フェアが行われた。

11月20日(日)

【思ったこと】
_b1120(日)日常行動改善計画へのヒント(3)帰宅後の勉強の習慣づけ

 11月17日の続き。行動分析学関連の某授業は、社会人の受講生の方が多かったこともあり、お子さんに関する行動改善のリクエストがたくさん寄せられた。その代表的なものは、自宅における勉強の習慣づけであった。

 この問題は、お子さんの学年によっても異なるが、一般的にはまず、勉強する時間帯をどう設定するのかが課題となる。

 例えばサークル活動で帰宅が遅いお子さんの場合、帰宅直後はくたびれていてすぐには勉強に取り組めない。その場合は、十分な休息(もしくは昼寝)とセットで勉強時間確保につとめるべきであろう。また、勉強時間として計画していた時間帯に、テレビを視たりゲームをするといった、勉学と競合的(勉学と同時に行うことのできない行動)が高頻度で生起している場合は、そうした行動を後回しにするように日課表を変更する必要がある。プレマックの原理などから言えば、テレビやゲームは禁止するのではなく、勉強時間の後から行うように設定した方が効果的である。

 次に勉学行動自体の強化であるが、理想的には、新しい知識を身につけたり問題を自力で解けるという行動内在的な好子で強化されるようになることが望ましい。動機づけ理論で言えば、内発的、あるいは内部調整と呼ばれるタイプに相当する。

 しかし、勉強というのは、習いたてはそんなに面白いものではないし、また、日本の中高生の場合は、受験競争から逃れられないという宿命がある。そういうケースでは、まずは、あらゆる学科すべてを一律に強化するのではなく、まずは、「この分野の問題ならゼッタイに解ける」という自信を獲得し、そのリパートリーを増やしていくほうが着実である。自信をつけやすい領域としては、計算問題、英単語、公式などがある。90%程度の正解率を保持するような形(←正解率が低いと消去されてしまう)でレベルアップをはかっていくことが肝要である。ちなみに、ドリル方式を取り入れている大手学習塾は、この方略をうまく取り入れている。

 もう1つは、単線的な強化ではなく、将来目標とリンクさせた、勉学の重要性の自覚である。これは、行動分析学的には、「自覚」は、確立操作、習得性好子の形成、ルール支配行動の確立に帰着できるが、これらは膨大な説明を要するのでここでは取り上げない。

 なお、この連載はいったん中断し、明日からはダイバージョナルセラピーと質的心理学会関連の話題を取り上げる予定。