じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 日本園芸療法学会2011年大会(長野大会)の様子。1日目は上伊那広域連合長(伊那市長、写真上)の挨拶や、著名な桜守の方(写真下)の特別出演があった。伊那市長はご自身でも山登りのご趣味があり、南アルプスの高山植物保護(主として鹿よけ)に力をいれておられるとのお話であった。

10月29日(土)

【思ったこと】
_b1029(土)日本園芸療法学会2011年長野大会(2)フィトセラピー

 表記の大会に参加するため、信州大学農学部までやってきた。伊那市中心部に近いものの、会場の住所地は、上伊那郡南箕輪村となっていた。この村は長野県内では最も人口の多い村であり、さらに全国的にも珍しい東西に大きく2つの飛び地になっていること、日本の村で唯一、国立大学が存在する村であり、小学校から大学までの教育機関が存在する村である、といった特徴があるという。詳しい事情は分からないが、平成の大合併には加わらなかった模様である。今回の大会には、南箕輪村村長ではなく、伊那市長が来られたが、これは市長としてではなく、自治体の広域連合長という肩書でご挨拶された。

 大会の一日目は、まず、フィトセラピーについて、フィトセラピーの学校長の方からの基調講演があった。フィトセラピーはこちらに、「ハーブを衣食住に活用する、アロマセラピー、森林療法や植樹活動、園芸療法など、植物で心とからだをきれいに、元気にすることすべてをフィトセラピー(植物療法)と言います。」と紹介されている通り、園芸療法や人間・植物関係学とはきわめて関係の深いセラピーである。私自身の園芸や森林散策の趣味とも一致しているため、趣旨には大いに共鳴できるところがある。但し、何らかの医療効果や健康増進効果を主張するということになると、やはり科学的な検証が必要であるとは思う。それも、医学的・薬学的な研究成果の援用ではなくて、自らの実践活動の中において、個々の効果検証と批判的思考(クリティカルシンキング)を積み重ねていく必要があるとは思う。つまり、「医学界で○○が良いと言われている」というような孫引き的な引用で援用するのではなく、自分自身で論文を引用し、必要に応じて自分自身でも検証していくという姿勢が求められる。

 もっとも、この種の効果は、ホーリスティック(全人的)かつ長期的な改善をもたらすことがある。また、何よりも楽しみながら実践していくことが第一であるので、ライフスタイル全般の改善・構築が必要であろう。このような部分は、自然科学的な群間比較、つまり、個性を無視して平均値の有意差だけで検定するというやり方では検証することが困難である。むしろ、多くの実践活動の中で、症例や経験交流をはかったほうが良いという場合もあるだろう。

 次回に続く。