じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2011年版・岡山大学構内でお花見(76)朝顔モドキ4種

 朝顔や昼顔は夏に咲く花と思われがちだが、日本朝顔は別として、雑草化した西洋朝顔や昼顔類は、真夏よりもむしろ、秋風の吹く今ごろのほうがたくさんの花をつけているように見える。
  • 写真左上:マメアサガオ(青い朝顔の右側の白花)。花柄にイボ状の突起が著しいものが「マメアサガオ」、まばらにあるのが「ホシアサガオ」として区別できるという。写真の花は、突起が著しいように見えた。
  • 写真右上:サツマイモの花
  • 写真左下:マルバルコウソウ
  • 写真右下:背後から朝日を浴びるマルバアサガオ。


10月2日(日)

【思ったこと】
_b1002(日)日本行動分析学会第29回年次大会(16)許可の随伴性・阻止の随伴性・ルール支配行動:青年・成人臨床事例からの再考(12)学生相談場面の事例から(5)

 本題から脱線して、しばらく「ルール支配」の根本問題について議論してきたが、もう1つだけ、Catania(1991)の「Behavior controlled by verbal antecedents」、あるいは杉山ほか(1998の

概念: ルール
a) 行動随伴性を記述したタクトが生み出す
b) 言語刺激

概念: ルールによる制御
a) ルールが
b) そのルールの中に示された
c) 行動を制御すること
といったルール支配の定義に関して、もう少しだけ指摘しておきたいことがある。

 それは、これらの定義の中に、いずれも「言語刺激」が含まれているという点である。ちなみに、杉山ほか(1998、273頁)では、言語行動は
言語行動
言語共同体(コミュニティ)の他の成員のオペラント行動を介した強化によって
形成・維持されているオペラント行動で
強化をもたらすオペラント行動は
その言語共同体特有の行動随伴性のもとで習得されたものである
と定義されている。これらを連結すると、ルール支配行動というのは、あくまで、言語共同体なくしては成立しえない行動ということになる。

 確かに、言語共同体から隔絶された環境に置かれると知的発達が著しく阻害されることは事実であるが、果たして、だからといって、言語共同体がルール支配の絶対的必要条件になっているかどうかは検証が必要であろう。

 なお、言語行動には、形式的制御と主題的制御があり、上述の「タクト」は、後者に該当し、杉山ほか(1998)では、
環境のあらゆる事象を弁別刺激として生じる言語オペラント
弁別刺激と言語反応との間に一定の一致があった時に強化される
とされている。もっとも、「まずタクトありき」、次のステップでルール支配行動が形成されるということではなく、ルール支配行動の発達自体がタクトの習得と使用を強化しているのではないかと思われる。

 いずれにせよ、1つだけ確かなことは、我々の行動は直接経験だけで習得・遂行されるものではない。他者の過去の体験を自らのものとしたり、遠方での情報を活用できたりすることからみて、何らかのルール支配があることは否定できない。問題はそれを、直接効果的随伴性にどうリンクさせていくかということである。

 次回に続く。