じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 耐震改修工事の一時移転が移転先の都合で延期となり、いったん空にした旧・研究室内に必要最低限の荷物を運び込んで仕事を続けていたところであるが、9月22日に、引っ越し業者の手で大型備品の搬出・搬入が完了。元の部屋は備品を含めて完全に空になった。写真はガランとした旧・研究室内(左上)やドア(右上)、文学部西側の出入口(左下)、廊下(右下)。20年半にわたってお世話になった改修前の建物とはこれでお別れとなった。

9月24日(土)

【思ったこと】
_b0924(土)日本行動分析学会第29回年次大会(8)許可の随伴性・阻止の随伴性・ルール支配行動:青年・成人臨床事例からの再考(5)ルール支配行動の臨床的意味(2)

 昨日も述べたように、企画者は、臨床的意味をふまえて、ルール支配から随伴性支配への修正という意義を強調された。これに加えて、
  • より適応的なルールの形成
  • 自分の行動の形成・維持・変容過程の理解
という2点も指摘されたが、いずれも、それらを達成するためにどのような強化・弱化、弁別、確立操作等が必要であるのかを解明していく必要があるように思われた。

 次に企画者は、行動分析学と認知行動療法の違いについて概観した。別のセッションでも同じような指摘があったが、両者には
  • 機能モデルか?、構造モデルか?
  • 随伴性か?、相互作用モデルか?
という違いがある。また、得られたデータの分散については、それを個人差と見なすか、それとも誤差として捉えるのかという違いがあり、さらには、エビデンスの取り方の根本的な違いがあるというご指摘であった。

 企画者から事前にいただいたパワーポイント・ファイルには、このほか、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)や、強迫スペクトラム障害(OCSD)、さらに森田療法、パヴロフ型条件づけとオペラント条件づけの随伴性の確率空間による分類などが用意されていたようであったが、時間が足りなくなったため大幅に割愛された。

 なお、上記の「機能モデルか?、構造モデルか?」、あるいは「随伴性か?、相互作用モデルか?」という議論であるが、私個人は、「単線型」の随伴性から、入れ子構造や階層型の随伴性への発展を唱えており、両者を明確に区別するという立場には立っていない。但し、行動に直接効果を及ぼすのはあくまで基本随伴性、「構造」や「相互作用」については、むしろ、社会的に構成されるものであると考えている。

 次回に続く。